棺桶に入れるものは何が適切?入れてはいけない副葬品やマナーも解説
大切な人を亡くし、深い悲しみに暮れる中で、葬儀の準備は心労が尽きないものです。特に、故人を偲び、感謝の気持ちを伝えるための副葬品選びは、慎重に行いたいところですよね。しかし、火葬に適さないものを知らずに棺桶に入れてしまうと、トラブルに繋がるおそれもあります。この記事では、副葬品の選び方や注意点について詳しく解説します。故人への想いを形にしつつ、安全で心温まるお別れができるよう、ぜひ参考にしてみてください。
副葬品とは何か
副葬品の定義と意味
副葬品とは、故人の棺桶に一緒に入れる品物のことを指します。亡くなった方の愛用品や思い出の品、生前好きだったものなどが副葬品として選ばれることが多いです。
副葬品を棺桶に入れる習慣は古くからあり、故人が来世でも使えるようにという想いが込められています。また、遺族にとっても最後のお別れの際に、故人とゆかりのある品を手向けることで、心の安らぎを得ることができるでしょう。
棺桶に入れる副葬品の役割
副葬品には、故人を偲び、追悼の意を表す役割があります。生前に故人が大切にしていたものを一緒に棺桶に納めることで、その人らしさを感じることができるでしょう。
また、副葬品は遺族の心の支えにもなります。故人の好きだった品々を手向けることで、最期のお別れの際の寂しさや悲しみを和らげ、前を向く気持ちにつながることでしょう。
副葬品選びの重要性
副葬品の選択は、故人を偲び、供養するための大切な過程です。ただし、火葬の安全性を十分に考慮した上で、適切な品物を選ぶ必要があります。
燃えにくい素材のものや、有害物質を発生させる可能性のあるものは避けましょう。また、サイズが大きすぎるものや、火葬炉の故障につながりかねない品物も不適切です。
故人の希望と遺族の思いのバランス
副葬品選びでは、故人の希望と遺族の思いのバランスを取ることが重要です。生前に故人が副葬品について意向を示していた場合は、それを尊重することが望ましいでしょう。
一方で、遺族の想いを込めた品を手向けることも大切です。故人とのエピソードが詰まったものや、感謝の気持ちを伝える手紙など、遺族ならではの視点で副葬品を選ぶことで、より意味のある儀式になるでしょう。
副葬品選びで不明な点があれば、葬儀社や火葬場に確認するのがよいでしょう。専門家のアドバイスを受けることで、故人への想いを形にしつつ、安全で心のこもったお別れができるはずです。
棺桶に入れてもよい副葬品
故人の思い出の品や好きだったもの
棺桶に入れる副葬品は、故人の思い出の品や生前好きだったものを選ぶのが一般的です。故人の人柄や価値観を反映した品々を手向けることで、その人らしさを感じることができるでしょう。
趣味に関連する小物や、思い出の旅行の写真などは、故人を偲ぶ上で意味のある副葬品となります。
ただし、副葬品選びの際は、火葬の安全性に十分配慮する必要があります。燃えにくい素材のものや、有害物質を発生させる可能性のあるものは避けましょう。不明な点があれば、葬儀社や火葬場に確認するのがよいでしょう。
花やお菓子などの身近なアイテム
故人の好きだった花を棺桶に入れるのも、心のこもった副葬品の選択肢の一つです。生前に故人が愛でていた花や、思い出の花束などを手向けることで、その人らしさを感じることができるでしょう。
また、小さいサイズのお菓子を副葬品として棺桶に入れるのも一般的です。故人の好物だったチョコレートやクッキーなどを少量添えることで、生前の嗜好を偲ぶことができます。
ただし、お菓子などの食べ物を副葬品とする場合は、火葬の際に支障がないよう、量を控えめにすることが大切です。水分量の多い果物などは避け、火葬の妨げにならない程度の量を心がけましょう。
手紙・寄せ書きなどの心のこもったもの
故人への感謝の気持ちや、最期のメッセージを綴った手紙やカードも、意味のある副葬品になります。遺族や親しい人たちが思いを言葉にすることで、故人への愛情を表現できるでしょう。
また、お別れの会などで参列者から集めた寄せ書きを棺桶に入れるのも、心のこもった副葬品の一つです。故人を慕う人々の温かい言葉に囲まれて旅立つことで、安らかな眠りにつけることでしょう。
手紙や寄せ書きを副葬品とする際は、燃えやすい素材の紙を選ぶことが大切です。ラミネート加工された紙などは避け、火葬の際に完全に燃えるような材質のものを使用しましょう。
洋服や小物などの個人的な品々
副葬品の種類 | 注意点 |
---|---|
洋服 | 燃えやすい素材(綿、麻、シルクなど)を選ぶ。革製品は避ける。 |
靴 | 革製品は避け、布製やスリッパなどを選ぶ。 |
生前に故人がよく着ていた服や、大切にしていた小物などを棺桶に納めることで、その人らしさを偲ぶことができるでしょう。
ただし、洋服や小物を副葬品とする際は、火葬の安全性に十分注意する必要があります。燃えやすい素材のものを選び、金属部品の少ないものが望ましいです。革製品は有毒ガスを発生させる恐れがあるため、避けた方がよいでしょう。
千羽鶴やご朱印帳などの慣習的なアイテム
千羽鶴は、故人の冥福を祈り、見送る人々の想いが込められた伝統的な副葬品です。葬儀の際に参列者が心を込めて折り、棺桶に納めることで、故人を偲び、天国への道のりを見守ります。
また、故人が生前に集めていたご朱印帳を副葬品とするのも、意味のある選択肢の一つです。神社仏閣を巡った思い出が詰まったご朱印帳を手向けることで、故人の旅路を追悼することができるでしょう。
千羽鶴やご朱印帳などの慣習的なアイテムを副葬品として棺桶に納める際は、火葬の妨げにならないよう、量を調整することが大切です。また、燃えやすい素材であることを確認し、火葬の安全性に配慮しましょう。
棺桶に入れてはいけない副葬品
火葬の安全性を脅かすもの
棺桶に副葬品を入れる際、最も注意すべきは火葬の安全性です。ライターやスプレー缶など、高温で爆発する危険性のあるものは厳禁です。また、ゴルフクラブや釣り竿などの長尺物は、火葬炉の故障や破損につながるおそれがあるため、避けるべきでしょう。
革製品も火葬時に有毒ガスを発生させる可能性があるため、好ましくありません。プラスチック製品についても、有害物質が発生するリスクを考慮する必要があります。安全面を最優先に、副葬品の選択には十分な注意が必要です。
メガネ・入れ歯などの故人の身体に関するもの
故人が生前使用していたメガネや入れ歯なども、棺桶に入れるのは適切ではありません。メガネのレンズが高温で溶けて遺骨に付着したり、入れ歯が遺骨を傷つけたりする可能性があるためです。
また、医療機器であるペースメーカーを故人が使用していた場合は、特別な対応が必要です。ペースメーカーは高温で爆発する危険性があるため、必ず取り外した上で火葬を行わなくてはいけません。取り外しが難しい場合は、葬儀社や火葬場に相談しましょう。
お金やライターなどの法律・ルール違反となるもの
お金を棺桶に入れることは、日本の法律で禁止されています。たとえ故人への想いが込められていても、現金や貴金属類を副葬品とすることはできません。また、ライターなどの発火物も、火葬場の規則で認められていないことが一般的です。
副葬品の選択では、法律や火葬場のルールを確認し、違反とならないよう注意が必要です。不明な点は、葬儀社や火葬場に問い合わせるのが賢明でしょう。故人への想いは、ルールの範囲内で形にするよう心がけましょう。
大きすぎる本や果物などの燃えにくいもの
分厚い本や大きな果物なども、火葬の妨げになる副葬品です。燃えにくい素材の書籍は、完全に燃え尽きずに残ってしまうおそれがあります。また、果物は水分量が多いため、火葬の進行を遅らせる原因となります。
花束やぬいぐるみなど、サイズが大きすぎる副葬品も避けた方が無難です。棺桶に納まるサイズで、可燃性の高いものを選ぶことが肝要です。故人を偲ぶ気持ちは大切にしつつ、現実的な視点も忘れずに副葬品を吟味しましょう。
有害物質を発生させる可能性のあるもの
火葬の際に有毒ガスを発生させかねない副葬品も、控えるべきです。革製品やプラスチック製品は、燃焼時に環境に悪影響を及ぼす物質を放出する可能性があります。故人への想いとともに、健康や環境への配慮も忘れてはいけません。
不安な点は専門家に相談し、適切な判断を心がけましょう。
故人とのお別れの際は、様々な思いが交錯します。心の整理がつかない中で副葬品を選ぶのは、容易ではないかもしれません。それでも、故人への感謝と尊厳を大切にしつつ、冷静に判断することが肝要です。専門家の助言を仰ぎながら、安全で故人らしい副葬品を選べば、意味のあるお別れになるはずです。
副葬品を選ぶ際の注意点
副葬品は、故人への感謝と想いを伝える大切なアイテムです。しかし、選択の際は火葬の安全性を十分に考慮することが重要です。燃えにくい素材や有害物質を発生させる可能性のあるものは避け、適切なサイズの品を選びましょう。
また、副葬品選びでは、故人の希望と遺族の思いのバランスを取ることが大切です。生前の故人の意向を尊重しつつ、遺族の気持ちも込めた品を選ぶことで、より意味のあるお別れになるでしょう。
代替案の検討と工夫
火葬に不適切な品であっても、代替案を検討することで故人への想いを形にできます。例えば、大切な写真は棺桶に直接入れるのではなく、祭壇に飾るという方法があります。また、金属製の品は木製の代替品に置き換えるなど、工夫の余地があるでしょう。
ろうそくで作られた副葬品なら、火葬の際に完全に燃え尽きるため安全です。想いを込めたメッセージを添えれば、心のこもった贈り物になります。代替案を柔軟に考えることで、様々な可能性が広がるはずです。
ペースメーカーや手作り棺桶など特別な配慮が必要なケース
故人がペースメーカーを使用していた場合は、爆発の危険性があるため、必ず取り外してから火葬を行う必要があります。また、入れ歯が取り外しできない場合は、遺骨を傷つける可能性があるため、慎重な対応が求められます。
手作りの棺桶を使用する場合は、火葬炉のサイズに合っているか確認が必要です。規格外のサイズだと、火葬の進行に影響を及ぼすおそれがあります。特別なケースでは、専門家に相談しながら適切な判断をすることが賢明でしょう。
不明な点は葬儀社や火葬場への確認
副葬品選びで不明な点があれば、葬儀社や火葬場に確認するのが最善の方法です。各施設によって、火葬炉の規格やルールが異なる場合があります。専門家のアドバイスを受けることで、安全で故人らしい副葬品を選べるはずです。
遠慮せずに質問や相談をすることが大切です。故人への感謝と尊厳を大切にしつつ、現実的な視点も忘れないようにしましょう。葬儀のプロフェッショナルである彼らの助言は、きっと心強い支えになってくれるはずです。
出棺・火葬時の参列者マナーと必要書類
出棺や火葬の際は、参列者のマナーにも気を配りましょう。喪服で見送ることが基本です。華美な服装は控え、故人への最後の敬意を表すことが大切です。また、火葬を行うためには、火葬許可証が必要です。書類の準備を怠らないようにしましょう。
葬儀社との綿密な打ち合わせを行い、必要な手続きを確認しておくと安心です。参列者への事前連絡も忘れずに。故人とのお別れが、厳かで心温まる儀式となるよう、周到な準備を心がけましょう。
まとめ
副葬品は、故人への感謝と想いを形にする大切なアイテムです。選ぶ際は、火葬の安全性を第一に考え、燃えやすい素材で適切なサイズのものを選びましょう。故人の思い出の品や好きだったもの、手紙や寄せ書きなど、心を込めた品が おすすめです。一方、危険物や故人の身体に関するもの、法律違反となるものは避けましょう。不明な点は葬儀社に相談し、 故人を偲びつつ、安全で心温まるお別れができるよう、準備を進めていきましょう。
監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)
家族葬のセレモニーハウスは、神奈川県、東京都、北海道(札幌市)で、心のこもった家族葬をご納得いただける価格でご提供している家族葬専門の葬儀社です。
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