お焚き上げはいつすべき?時期の選び方と費用の完全ガイド

大切な人を亡くされた遺族の方は、遺品の整理やお焚き上げの時期について悩まれるのではないでしょうか。この記事では、お焚き上げの意義や対象品、適切な実施時期、費用の目安など、お焚き上げに関する基本的な情報を詳しく解説します。
お焚き上げの意義と目的
お焚き上げとは何か
お焚き上げとは、故人の遺品や大切にしてきた思い出の詰まった品物を供養のために焼く儀式のことです。故人が生前に使用していた品々を焼くことで、故人の魂を慰め、供養するという意味があります。
お焚き上げの対象となる品々は、写真、日記、手紙、愛用品、人形、ぬいぐるみ、神棚や仏壇関連品、置物などです。これらの品々は、故人との思い出が詰まったものばかりです。
ある調査によると、98.6%の人が「お焚き上げ供養したい物がある」と回答しています。多くの人が、大切な人の遺品を供養したいと考えているのです。
故人を想う心と供養の大切さ
故人を偲び、その想いを胸に刻むことは、遺された者の務めです。お焚き上げは、そのための大切な儀式の一つといえるでしょう。
亡くなった人の遺品に向き合うことは、故人との思い出を振り返る機会にもなります。時には辛い想いもするかもしれません。しかし、そうした想いもまた、故人への愛情の表れなのです。
お焚き上げを通じて故人を供養することは、遺された者の心を癒やし、前に進む力にもなります。故人のことを想い、感謝の気持ちを捧げることが大切なのです。
遺品を整理し、思い出を心に残す
故人の遺品を整理することは、お焚き上げの準備段階として欠かせません。遺品を一つ一つ手に取り、思い出を振り返る作業は、時間も心労も要するものです。
ただ、遺品整理を通して、故人との大切な思い出を振り返り心に刻むことができます。何を形見として残し、何をお焚き上げするのか。それを選択する過程そのものが、故人を偲ぶ大切な時間といえるでしょう。
お焚き上げを行った後も、故人との思い出は心の中にしっかりと残ります。形あるものは焼かれても、想いは永遠に消えることはないのです。遺品を整理し、お焚き上げすることは、故人への感謝を形にする儀式なのだと思います。
お焚き上げの対象となる品物
一般的なお焚き上げ対象品
お焚き上げの対象となる品物は、故人の思い出が詰まったものが中心です。具体的には、写真、日記、直筆の手紙、愛用品(アクセサリー、服)、人形、ぬいぐるみ、神棚や仏壇関連品、置物などが挙げられます。
これらの品々は、故人が生前に大切にしていたものばかりです。遺された家族にとっても、かけがえのない思い出の品となるでしょう。お焚き上げを通じて、故人への感謝の気持ちを込めて供養することができます。
供養すべき遺品の選び方
とはいえ、すべての遺品をお焚き上げする必要はありません。お焚き上げする品物は、遺された家族の判断で選ぶことになります。
形見として残したい品物と、お焚き上げする品物を分けることが大切です。思い出の詰まった品物の中には、形見として大切に残しておきたいものもあるでしょう。
一方で、故人との思い出はあるものの、もう手元に置いておく必要のないものもあります。そうした品物は、お焚き上げすることで、故人に感謝の気持ちを捧げることができるのです。
処分不可品と注意点
ただし、お焚き上げできない品物もあることに注意が必要です。引火性物質、有害物質発生素材(ビニール、プラスチック)、不燃物(ガラス、陶器)、家電リサイクル法対象製品などは、処分不可品となります。
これらの品物は、お焚き上げ業者でも受け入れてもらえないことがほとんどです。別の方法で処分する必要があるでしょう。
また、故人の遺志、宗派、対象品の受入可否なども、事前に確認しておくべきポイントです。お焚き上げを依頼する業者に、よく相談することをおすすめします。
98.6%の人が「供養したい品がある」という事実
冒頭でも触れましたが、アンケート調査によると、実に98.6%の人が「お焚き上げ供養したい物がある」と回答しています。
しかし、実際にお焚き上げをする人は多くありません。
大切な人を亡くし、悲しみにくれる中で、遺品の整理やお焚き上げの準備をするのは、なかなか難しいものです。故人を偲び、感謝の気持ちを捧げるお焚き上げは、遺された家族にとって、心の支えになるはずです。
お焚き上げを行うベストなタイミング
四十九日法要後が一般的
遺品のお焚き上げを行うタイミングとして、最も一般的なのが四十九日法要の後です。四十九日法要は、故人の死後49日目に行われる法要で、この日に故人の魂が現世との縁を断ち切り、浄土へ旅立つと考えられています。
四十九日法要を終えた後は、故人の魂も安らかになり、遺品を整理してお焚き上げする心の準備ができるでしょう。遺族の心情的にも、お焚き上げを行いやすいタイミングといえます。
一周忌・三周忌法要後も適切な時期
故人の一周忌や三周忌の法要後もまた、お焚き上げに適した時期です。一周忌は死後満1年、三周忌は満2年を迎えたタイミングで営まれる法要です。
一周忌や三周忌を機に、改めて故人を偲び、遺品を整理する家族も少なくありません。一区切りついたタイミングでお焚き上げを行うことで、故人への感謝の気持ちを新たにすることができるでしょう。
賃貸物件の明け渡し時の供養
故人が賃貸物件に住んでいた場合、明け渡しのタイミングに合わせてお焚き上げを行うのも一案です。部屋を明け渡す際は、故人の思い出の品を一気に整理しなければなりません。
散り散りになる前に、大切な遺品をお焚き上げすることで、故人への感謝を示せるでしょう。新しい入居者も安心して暮らせるよう、遺品供養はしっかり済ませておきたいものです。
以上のように、お焚き上げを行うベストなタイミングは、故人の法要後や遺品整理の節目といえます。遺族の心の区切りがついたときに、故人への感謝を込めてお焚き上げをするのが理想的です。
とはいえ、いつお焚き上げをするかは遺族の事情によっても変わります。故人を偲び、感謝の気持ちを示せるなら、時期にこだわる必要はないでしょう。最良のタイミングを、遺族で話し合って決めることが肝心です。
お焚き上げの種類と費用相場
合同供養と個別供養の違い
お焚き上げには、合同供養と個別供養の2種類があります。合同供養は、複数の遺品や思い出の品をまとめて一括で供養する方法です。費用は比 較的安価で、0円~10,000円程度が相場となっています。
一方、個別供養は、個別に供養する方法です。一品一品に心を込めて丁寧に読経してもらえるため、故人への思いをしっかりと届けられるでしょう。ただし、費用は20,000円~70,000円程度と、合同供養に比べて高額になります。
どちらの供養方法を選ぶかは、遺族の希望や予算に応じて決めるとよいでしょう。故人への感謝の気持ちを示せるなら、合同供養でも十分意味があります。
現地訪問供養サービスの内容と費用
遺品が大量にある場合や、自宅まで僧侶に来てほしい場合は、現地訪問供養サービスを利用するのがおすすめです。僧侶が直接自宅を訪問し、お焚き上げの儀式を執り行ってくれます。
現地訪問供養の基本費用は20,000円~70,000円程度ですが、僧侶の交通費としてお車代が5,000円~10,000円ほど追加でかかります。遠方の場合は、交通費がさらに高額になることもあるでしょう。
ただ、大量の遺品を一気に供養できるのは大きなメリットです。ご自宅まで来てもらえるので、高齢の方や体が不自由な方でも安心です。
遺品の量や種類による料金の目安
お焚き上げにかかる費用は、遺品の量や種類によっても変わります。段ボール1箱分までなら5,000円~10,000円程度、それ以下の量なら3,000円前後が相場です。
遺品の量 | 費用の目安 |
---|---|
段ボールより小さい量 | 3,000円前後 |
段ボール1箱分 | 5,000円~10,000円 |
ただし、衣類など嵩張る品物が多い場合は、段ボール1箱でも追加料金がかかることがあります。反対に、写真や手紙など薄手の品物が中心なら、料金が抑えられるかもしれません。
遺品の量や種類については、事前にお焚き上げ業者に相談しておくのが賢明です。料金の目安を確認し、納得した上で依頼することが大切でしょう。
神棚・仏壇の供養にかかる費用
神棚や仏壇は、ご先祖様や神様・仏様をお祀りする大切な場所です。処分するためには、「閉眼供養」という特別な儀式が必要となります。
閉眼供養の費用は、ご依頼の宗派や神棚・仏壇の大きさによって異なりますが、5,000円~40,000円程度が相場です。神棚や仏壇は思い入れも一入(ひとしお)ですから、できれば手厚く供養したいところです。
神棚や仏壇の引き取りにも費用がかかりますので、合わせて確認しておきましょう。丁寧な供養を心がけることが、ご先祖様や神様・仏様への恩返しになるはずです。
お焚き上げを依頼する際の注意点
故人の遺志と宗派の確認
お焚き上げを依頼する前に、まずは故人の遺志を確認することが大切です。生前に、お焚き上げについて何か話していなかったでしょうか。故人の希望に沿ったお焚き上げを行うことが、何より重要だと思います。
また、故人の宗派も確認しておく必要があります。宗派によって、お焚き上げの作法や読経の内容が異なるからです。故人の信仰していた宗派にのっとったお焚き上げを依頼しましょう。
故人の遺志が不明な場合は、遺族で話し合って決めるしかありません。それでも決められないときは、お焚き上げ業者に相談するのもよいでしょう。プロの意見を参考にしながら、故人にとって最良の供養方法を選ぶことが肝心です。
閉眼供養の必要性について
神棚や仏壇を処分する際は、閉眼供養が必要になります。閉眼供養を行わずに処分してしまうと、ご先祖様や神様・仏様に対する冒涜になりかねません。
お焚き上げを依頼する際は、神棚や仏壇の処分も合わせて相談しておくとよいでしょう。閉眼供養の必要性を確認し、必要なら一緒に依頼することをおすすめします。
お焚き上げ対象品の受入可否の事前確認
お焚き上げできない品物もあることを、覚えておく必要があります。引火性物質、有害物質発生素材(ビニール、プラスチック)、不燃物(ガラス、陶器)、家電リサイクル法対象製品などは、処分不可品となります。
これらの品物は、お焚き上げ業者でも受け入れてもらえません。事前に対象品の受入可否を確認し、処分不可品は別の方法で処分する必要があります。
とくに気をつけたいのが、アルバムや賞状など、プラスチック製の表紙や枠がついている品物です。中身の紙だけを取り出してお焚き上げするなど、業者と相談して適切に対処しましょう。段ボール箱も、紙製なら受け入れ可能なことが多いです。
無料供養の選択肢と留意点
お焚き上げにお金をかけられない事情がある場合は、無料供養を検討するのもよいでしょう。1月15日に行われる「どんど焼き(左義長)」では、お守りやお札、だるまなどを無料で焼いてもらえます。
ただし、どんど焼きで供養できる品物は限られています。品物によっては焼いてもらうことはできません。また、宗教色が強い行事なので、故人や遺族の宗教観によっては適さない場合もあります。
無料だからといって安易に選ばず、故人にとって最良の供養方法を考えることが大切です。どうしても無料供養したい場合は、寺社の行事などをよく調べて参加しましょう。無料でも心を込めれば、故人への感謝の気持ちは十分伝わるはずです。
まとめ
お焚き上げは、故人の遺品を供養のために焼く儀式で、故人への感謝の気持ちを示すために大切です。お焚き上げの対象品は、写真、日記、手紙、愛用品など思い出の詰まった品が中心で、四十九日法要後や一周忌・三周忌法要後などがお焚き上げのベストなタイミングです。合同供養は安価で簡便、個別供養は丁寧で心が籠もっており、現地訪問供養は僧侶が自宅まで来てくれる点が特長。費用は遺品の量や種類で変動しますが、神棚・仏壇の閉眼供養は別途必要になります。お焚き上げ前には故人の遺志や宗派の確認、処分不可品の取り扱いなどにも注意が必要です。無料供養もありますが、対象品に制限があるので慎重に選びましょう。

監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)
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