会葬御礼とは?選び方、費用の相場や香典返しとの違いも解説

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2025/05/01
会葬御礼とは?選び方、費用の相場や香典返しとの違いも解説

大切な方を見送る葬儀の場で、参列者への感謝を示す「会葬御礼」。香典返しと混同されがちですが、実は目的や渡すタイミング、金額相場まで異なります。葬儀に不慣れな方にとって、これらの違いを理解することは非常に重要です。本記事では、会葬御礼の基本的な知識から選び方、香典返しとの違いまで、葬儀を執り行う際に知っておくべき情報を詳しく解説します。突然の出来事で混乱する中でも、参列者への感謝を適切に伝えるための準備ができるよう、アドバイスをお届けします。

会葬御礼とは何か

会葬御礼は、葬儀や通夜に参列してくださった方全員に対して、感謝の気持ちを表すために渡す品物です。故人や遺族に代わり「ご参列いただきありがとうございます」という気持ちを形にしたものといえます。

会葬御礼は、葬儀という厳粛な場に足を運んでくださった方への感謝の表現として、葬儀文化において重要な意味を持っています。香典の有無に関わらず、参列者全員に渡すのが基本的なマナーです。

会葬御礼の目的と意味

会葬御礼の主な目的は、葬儀に参列していただいたことへの感謝を示すことです。故人との最後のお別れの場に立ち会ってくださった方々に対し、遺族が心からの感謝の気持ちを伝える手段となります。

葬儀という悲しみの中にあっても、参列者への感謝の気持ちを忘れず形に表すことは、日本の弔事文化における重要な礼儀とされています。会葬御礼を通じて、故人を偲び参列してくださった方々との絆を確認する意味合いもあります。

香典返しとの基本的な違い

会葬御礼と香典返しは似ているようで、実は目的や渡し方に明確な違いがあります。この違いを理解することが、適切な葬儀マナーを実践する第一歩となります。

項目会葬御礼香典返し
対象者葬儀・通夜に参列した全ての人香典を贈ってくれた人のみ
渡すタイミング葬儀・通夜当日本来は四十九日法要後(近年は即日返しも増加)
金額相場500円〜1,000円程度いただいた香典の3分の1〜半額程度
目的参列へのお礼香典へのお礼と忌明けの報告

会葬御礼は「参列したこと」に対するお礼であるのに対し、香典返しは「香典をいただいたこと」に対するお礼です。この根本的な違いから、対象者や渡すタイミング、相場金額などが異なってきます。

会葬御礼の渡すタイミングと方法

会葬御礼は、いつ、どのように渡すべきなのでしょうか。適切なタイミングと方法を知ることで、参列者への感謝の気持ちを滞りなく伝えることができます。

葬儀当日の手渡しが基本

会葬御礼は、基本的に葬儀または通夜の当日、その場で参列者に直接手渡すのが一般的です。多くの場合、受付で会葬御礼を芳名帳と一緒に準備しておき、参列者が受付を済ませた際に手渡します。

また、出棺時や火葬場での別れの際、または精進落としの会場の出口などで手渡すケースもあります。いずれにしても、会葬御礼は後日郵送するものではなく、当日にその場で渡すことが基本マナーです。

準備する数量の目安

会葬御礼は参列者全員に行き渡るように準備する必要があります。そのため、予想される参列者数よりも少し多めに用意しておくことが望ましいでしょう。

一般的な目安としては、予想参列者数の1.5倍程度を準備しておくと安心です。例えば、50名の参列が予想される場合は、80個程度の会葬御礼を用意しておくとよいでしょう。予想外の参列者がいた場合でも対応できるよう、余裕を持った準備が大切です。

手渡し時の言葉遣い

会葬御礼を渡す際の言葉遣いも重要なポイントです。悲しみの中にあっても、参列者への敬意と感謝の気持ちを言葉で表すことが大切です。

基本的な言葉かけとしては、「本日はお忙しい中ご参列いただき、ありがとうございます」「心ばかりのものですが、どうぞお持ち帰りください」などが適切です。シンプルでも心のこもった言葉を添えることで、形式的な印象を避け、真心を伝えることができます。

会葬御礼の金額相場と選び方

会葬御礼は参列者全員に配布するものであるため、その費用や選び方には一定の相場やマナーが存在します。適切な金額設定と品物選びのポイントを押さえておきましょう。

会葬御礼の費用相場

会葬御礼の一般的な相場は、1つあたり500円〜1,000円程度とされています。地域や家族の考え方によって若干の違いはありますが、この範囲内で準備するのが一般的です。

参列者数が多い場合は総額が大きくなりますが、会葬御礼は「参列への感謝」という目的を果たすものであるため、過度に高額である必要はありません。故人や家族の経済状況も考慮しながら、無理のない範囲で準備することが大切です。

適した品物の選び方

会葬御礼として選ばれる品物には、一定の傾向があります。基本的には持ち帰りやすく、負担にならないものが望ましいとされています。

  • タオル・ハンカチ:実用的で定番の品
  • お茶・コーヒー:日持ちし、日常で使える
  • 焼き菓子・羊羹:個包装で持ち運びしやすい

選定の際は、「消えもの」(使い切るもの)を選ぶという弔事の基本を意識すると良いでしょう。また、持ち帰りの負担にならないよう、あまり大きすぎる品物は避けるのが無難です。

挨拶状・会葬礼状の添え方

会葬御礼には、簡潔な挨拶状や会葬礼状を添えるのが一般的です。この挨拶状は、参列への感謝を言葉で表現する重要な役割を担っています。

挨拶状には、「本日はご多用中にもかかわらずご会葬を賜り、誠にありがとうございました」「故人ならびに遺族一同心より御礼申し上げます」といった簡潔な感謝の言葉を記します。長文は避け、シンプルかつ丁寧な表現を心がけましょう。

また、挨拶状には家族代表者の名前を記載するのが一般的です。連名で記す場合は、遺族代表者を先頭に、続柄順に並べるのがマナーです。

香典返しについての基本知識

会葬御礼との違いを理解するためにも、香典返しについての基本的な知識を押さえておくことが重要です。香典返しは、会葬御礼とは異なる目的と意味を持っています。

香典返しの目的と意義

香典返しは、香典をいただいた方に対して、その感謝の気持ちを形にして返すものです。単なる返礼品ではなく、「香典をいただいたお礼」と「忌明け(四十九日法要の終了)の報告」という二つの意味を持っています。

日本の弔事文化において、香典返しは「お互いさま」の精神を表す重要な習慣であり、故人への弔意に対する感謝を示す機会でもあります。全てを受け取るのではなく一部を返すことで、互いの支え合いの気持ちを表現する意味があるのです。

香典返しの金額相場

香典返しの金額相場は、一般的に「いただいた香典の3分の1〜半額程度」とされています。この考え方は「半返し」と呼ばれ、広く受け入れられている慣習です。

具体的な例は以下の通りです。

  • 5,000円の香典 → 1,500円〜2,500円程度の返礼品
  • 10,000円の香典 → 3,000円〜5,000円程度の返礼品
  • 30,000円の香典 → 10,000円〜15,000円程度の返礼品
  • 50,000円以上の香典 → 上限を設け、場合によっては4分の1程度に

特に、親族からの高額な香典に対しては、全額の半分を返すと負担が大きくなるため、4分の1程度に調整することも一般的です。地域や家族の考え方によって異なる場合もあるので、必要に応じて葬儀社に相談するとよいでしょう。

香典返しの渡すタイミング

伝統的には、香典返しは忌明け(一般的に四十九日法要)が済んだ後に発送するのが基本とされています。これは、忌中は「不浄」とされる期間であり、その間は返礼を控えるという考え方に基づいています。

しかし近年では、葬儀・告別式の当日に香典返しを渡す「即日返し」も増えてきています。これは、特に都市部や核家族化が進んだ地域で、手続きの簡略化や遠方からの参列者への配慮から広まっている方法です。

地域や宗教による習慣の違いも大きいため、地元の慣習や葬儀社のアドバイスを参考にするとよいでしょう。どちらの方法を選ぶにしても、お礼状に「本来であれば直接お伺いし御礼申し上げるべきところ」などの一文を添えると丁寧です。

会葬御礼と香典返しの違いを詳しく解説

会葬御礼と香典返しの違いをより深く理解することで、葬儀におけるマナーを適切に実践することができます。ここでは、両者の違いを様々な角度から詳しく解説します。

目的の違い

会葬御礼と香典返しの最も根本的な違いは、その目的にあります。会葬御礼は「参列していただいたこと」への感謝を表すものであるのに対し、香典返しは「香典をいただいたこと」への感謝と「忌明けの報告」を兼ねています。

この目的の違いから、会葬御礼は参列者全員に渡すのに対し、香典返しは香典を持参した方のみに渡すという対象者の違いが生まれます。また、会葬御礼が当日の参列への感謝のみを目的とするのに対し、香典返しには「故人の冥福を祈り、新たな出発をする」という意味合いも含まれています。

品物の選び方の違い

目的の違いから、会葬御礼と香典返しでは選ぶ品物にも違いがあります。

会葬御礼に適した品物香典返しに適した品物
・小さなタオル・ハンカチ
・少量のお茶・コーヒー
・個包装の焼き菓子
・携帯しやすい小物
・高級なタオルセット
・上質な海苔・茶葉
・菓子折り
・カタログギフト
・日用品(石鹸、洗剤など)

会葬御礼は持ち帰りやすさを重視するのに対し、香典返しは品質や贈り物としての格を意識する傾向があります。ただし、どちらも弔事の品として「消えもの」(使い切るもの)を選ぶという基本原則は共通しています。

挨拶状の内容の違い

会葬御礼と香典返しでは、添える挨拶状の内容にも明確な違いがあります。

会葬御礼の挨拶状:

  • 参列への感謝のみを簡潔に述べる
  • 故人と遺族からの御礼を伝える
  • 一筆箋やカードなど簡素な形式が多い

香典返しの挨拶状:

  • 香典へのお礼を述べる
  • 四十九日法要が無事終わったことを報告
  • 今後のご厚誼をお願いする言葉を添える
  • 本来は直接お礼に伺うべきところを書面でお詫びする

香典返しの挨拶状はより格式ある書面となり、特に忌明け後に送る場合は、しっかりとした便箋や奉書紙を使用するのが一般的です。また、弔事の文書では句読点を使わない形式を取ることもあります。

地域・宗教による会葬御礼の違い

会葬御礼の習慣や形式は、地域や宗教によって様々な違いがあります。葬儀を執り行う際には、地域の慣習や故人の信仰していた宗教の作法を尊重することが大切です。

現代の傾向と変化

近年では、従来の慣習にとらわれない新しい形の会葬御礼も見られるようになってきました。社会の変化とともに、葬儀のあり方や返礼品の形式も少しずつ変わりつつあります。

現代的な傾向としては、以下のようなものが挙げられます:

  • カタログギフトの増加:受け取る側が好みのものを選べる
  • デジタル化:QRコードつきの挨拶状など、IT技術の活用
  • 簡素化:小規模な家族葬に合わせた簡略化された形式

時代の変化に合わせて会葬御礼のあり方も変わりつつありますが、参列者への感謝の気持ちを表現するという本質は変わっていません。故人の人柄や遺族の想いを反映した形で、誠意を持って準備することが何より大切です。

会葬御礼の準備と手配のポイント

会葬御礼の準備は葬儀の重要な一部です。混乱しがちな葬儀準備の中でも、スムーズに手配ができるよう、ポイントを押さえておきましょう。

事前準備のチェックリスト

会葬御礼の準備を滞りなく進めるために、以下のようなチェックリストを活用すると良いでしょう。

  1. 予想参列者数の把握(親族、友人、職場関係者など)
  2. 予算の設定(500円〜1,000円/人を目安に)
  3. 品物の選定(持ち帰りやすさ、季節感などを考慮)
  4. 挨拶状の文面作成(シンプルかつ丁寧な表現で)
  5. 会葬御礼の発注(余裕を持って1.5倍程度)
  6. 当日の手渡し方法の決定(受付か出口か)

特に参列者数の把握は重要です。不足すると失礼にあたるため、余裕のある数量を準備することをおすすめします。また、葬儀の形式(一般葬・家族葬など)によっても必要な準備が変わるため、葬儀社とよく相談しましょう。

葬儀社との相談ポイント

多くの場合、会葬御礼は葬儀社を通じて手配することになります。その際、以下のポイントを押さえて相談すると、スムーズに準備が進みます。

  • 予算に合った品物のサンプルを複数見せてもらう
  • 挨拶状の文例を確認する
  • 当日の受け渡し方法について確認する
  • 香典返しとの兼ね合いについて相談する

葬儀社は地域の慣習に詳しいので、経験に基づいたアドバイスをもらうことで、適切な会葬御礼を準備することができます。特に初めて喪主を務める方は、細かな点まで確認しておくと安心です。

コスト削減のための工夫

参列者が多い場合、会葬御礼の総費用はかなりの金額になることがあります。予算に限りがある場合は、以下のような工夫でコストを抑えることも可能です。

ただし、コスト削減を優先するあまり、参列者への感謝の気持ちが薄れないよう注意が必要です。あくまでも「誠意を持った感謝の表現」という本質を忘れないようにしましょう。

  • シンプルながらも品質の良い品物を選ぶ
  • 挨拶状を自分たちで用意し、品物だけ発注する
  • 家族葬など小規模な形式を選ぶことで参列者数自体を調整する
  • 地域によっては会葬御礼を簡素化する傾向がある場合も

特に近年は核家族化や価値観の多様化に伴い、葬儀のあり方そのものが変化しています。予算と相談しながらも、心のこもった対応を心がけることが大切です。

会葬御礼に関するよくある質問

会葬御礼について、多くの方が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。葬儀準備の参考にしてください。

参列できなかった方への対応

Q: 葬儀に参列できなかったが香典だけ送ってくれた方にも会葬御礼は送るべきですか?

A: 会葬御礼は本来「参列」へのお礼であるため、参列されなかった方には送らないのが基本です。ただし、香典を送ってくださった方には「香典返し」を送ることが一般的です。参列できなかった方への配慮として、香典返しと一緒に「ご参列いただけなくても、ご弔意をいただき感謝しています」といった一文を挨拶状に添えると丁寧です。

Q: 弔電のみの方にも何か送るべきですか?

A: 弔電のみの方には、特に返礼品を送る必要はありません。ただし、特に親しい方や仕事関係で重要な方からの弔電の場合は、後日お礼状を送るという対応も考えられます。状況や関係性によって柔軟に判断するとよいでしょう。

会葬御礼と香典返しの併用

Q: 会葬御礼と香典返しを両方渡すのは失礼になりませんか?

A: 会葬御礼と香典返しは目的が異なるため、両方お渡しすることは基本的に問題ありません。特に地域によっては、当日に会葬御礼を渡し、後日香典返しを送るという形式が一般的な場合もあります。ただし、地域や宗教によって慣習が異なるため、現地の習慣に合わせることが望ましいでしょう。

Q: 会葬御礼と香典返しを兼ねることはできますか?

A: 近年では、特に都市部を中心に会葬御礼と香典返しを兼ねる「即日返し」の形式も増えています。この場合、香典を持参した方には、通常の会葬御礼よりも少し高額な品物を用意し、内容や挨拶状で参列と香典の両方へのお礼を示します。ただし、伝統的な考え方では別々に準備するのが基本なので、地域の慣習を確認することをおすすめします。

特殊なケースへの対応

Q: 家族葬で少人数の場合、会葬御礼は必要ですか?

A: 家族葬であっても、参列者への感謝を示すという意味で会葬御礼を用意するのが一般的です。ただし、極めて少人数(数名程度)の場合や、事前に「返礼品は辞退してほしい」という故人の遺志がある場合は、状況に応じて判断することも可能です。その場合でも、言葉でのお礼はしっかりと伝えましょう。

Q: 海外在住の方が参列される場合の会葬御礼で注意することはありますか?

A: 海外からの参列者には、日本の習慣に馴染みがない可能性があります。会葬御礼を渡す際は、簡単に趣旨を説明すると丁寧です。また、飛行機での帰国がある場合は、持ち帰りやすい軽量な品物を選ぶなどの配慮があると親切です。必要に応じて英語などの外国語で簡単な説明文を添えることも検討しましょう。

まとめ

本記事では、葬儀における会葬御礼の基本知識から香典返しとの違い、適切な選び方や準備のポイントまでを解説しました。会葬御礼は参列への感謝を示す大切な習慣であり、香典返しとはその目的や渡し方に明確な違いがあることを理解いただけたかと思います。

  • 会葬御礼は葬儀に参列した全員に対する感謝の品で、当日に手渡すのが基本
  • 金額相場は500円〜1,000円程度で、持ち帰りやすい品物が適している
  • 香典返しとは目的や対象者、金額相場、渡すタイミングが異なる
  • 地域や宗教によって慣習に違いがあるため、事前に確認することが重要
  • 準備には余裕を持った数量と、心のこもった挨拶状を添えることが大切

葬儀は悲しみの中での行事ですが、参列者への感謝の気持ちを形にして伝えることで、故人を偲ぶ場に温かさが生まれます。本記事の情報を参考に、状況に応じた適切な会葬御礼を準備し、大切な人との最後のお別れの場を心を込めて執り行ってください。



監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)

家族葬のセレモニーハウスは、神奈川県、東京都、北海道(札幌市)で、心のこもった家族葬をご納得いただける価格でご提供している家族葬専門の葬儀社です。
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