通夜なし葬儀とは?近年増加の理由から実施の流れまで解説

親しい人を亡くされたとき、葬儀の準備は大変な負担になるかもしれません。特に、通夜の日程調整や費用面での負担を感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんな悩みを解決する「通夜なし葬儀」について詳しく解説します。通夜なし葬儀の基本知識から実施する際の流れまで理解することで、故人を偲びつつ、遺族の負担を軽減する葬儀の選択肢が広がるでしょう。
通夜なし葬儀とは
通夜なし葬儀の定義
この葬儀形式は、近年増加傾向にあります。その理由としては、核家族化や少子高齢化、ライフスタイルの変化などが背景にあると考えられています。また、葬儀に対する意識の変化もあり、簡素化や合理化を求める傾向が強まっています。
通夜を省略できる理由
通夜を省略できる理由は、以下の3点が挙げられます。
- 一般弔問客を基本的に迎えない
- お通夜と告別式を分ける必要性が低い
- 法律上は24時間の安置のみ必要
通夜は、故人との最後のお別れの時間であり、弔問客を迎えて故人を偲ぶ場でもあります。しかし、通夜なし葬儀では、一般の弔問客を迎えないため、通夜を行う必要性が低くなります。また、法律上は24時間以上の安置が必要とされていますが、通夜と告別式を分ける必要はありません。
通夜なし葬儀のメリット・デメリット
通夜なし葬儀のメリットは、以下の通りです。
- 精神的・体力的負担の軽減(1日で完了)
- 費用削減
- 飲食費の削減
- 返礼品の削減
- 式場使用料の削減可能性
- 遠方参列者の負担軽減(日帰り可能)
1日で葬儀を終えることができるため、遺族の精神的・体力的負担を軽減できます。また、通夜に関連する費用を削減できるため、葬儀費用の抑制にもつながります。遠方からの参列者も日帰りで参列できるため、負担が軽減されます。
一方で、通夜なし葬儀のデメリットは、以下の通りです。
- 参列者の日程調整が困難
- 葬儀社によっては2日分の費用発生
- 参列機会の選択肢が限定される
1日で葬儀を行うため、参列者の日程調整が難しくなる可能性があります。また、葬儀社によっては通夜なしでも2日分の費用が発生する場合があるので注意が必要です。参列の機会が告別式のみに限定されるため、弔問の選択肢が限られます。
通夜なし葬儀の式の形式と留意点
通夜なし葬儀の式の形式は、基本的に通常の葬儀と同様です。ただし、以下の点に留意が必要です。
- 服装は通常の葬儀同様
- 礼服が望ましい
- 平服の場合は地味な色を選択
- 香典は通常通り受け付け
- ただし辞退するケースも多い
- 会葬御礼品は準備推奨
服装は、通常の葬儀と同様に礼服が望ましいとされています。平服で参列する場合は、地味な色を選ぶようにしましょう。香典は通常通り受け付けますが、辞退するケースも多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。会葬御礼品は準備しておくことが推奨されています。
通夜なし葬儀は、その簡素さと手軽さから今後さらに増加していくことが予想されます。一方で、故人との最後のお別れの機会が限定されるため、遺族の意向や心情に配慮することが大切です。通夜の有無にかかわらず、故人を偲び、見送る心を大切にした葬儀を行うことが何より重要です。
通夜なし葬儀が増加している背景
核家族化と葬儀の簡素化傾向
現代社会における核家族化の進行は、葬儀のあり方にも大きな影響を与えています。核家族では、葬儀の準備や執り行いを担う人数が限られるため、できるだけ簡素化し、負担を軽減したいというニーズが高まっています。
また、都市部を中心に、家族葬や密葬など、葬儀の規模を縮小する傾向が見られます。これは、家族や親族のみで故人を偲ぶことを重視し、大規模な葬儀を避ける価値観の表れともいえるでしょう。通夜なし葬儀は、こうした簡素化のニーズに応える葬儀形式の一つといえます。
高齢化社会と葬儀費用負担の増大
日本社会の高齢化が進む中、葬儀を執り行う機会も増加しています。しかし、長寿化に伴い、葬儀費用の負担が遺族にとって大きな問題となっているのも事実です。
通夜なし葬儀は、通夜に関連する費用を削減できるため、葬儀費用の抑制につながります。高齢化社会における葬儀費用の負担増大に対応するための選択肢の一つとして、注目されているのです。
葬儀観の変化と個人の価値観の多様化
近年、葬儀に対する意識や価値観も大きく変化しています。伝統的な葬儀のあり方にとらわれず、故人や遺族の意向を尊重した葬儀を行うことが重視されるようになりました。
また、個人の価値観が多様化したことで、葬儀の形式や内容も多岐にわたるようになっています。通夜なし葬儀は、こうした葬儀観の変化と個人の価値観の多様化を反映した葬儀形式の一つといえるでしょう。故人や遺族の意向に沿った、オーダーメイドの葬儀を実現する選択肢の一つとして注目されています。
コロナ禍による葬儀スタイルの変化
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大により、葬儀のあり方にも大きな変化が生じています。感染リスクを避けるため、葬儀の規模を縮小したり、参列者を制限したりする動きが広がっています。
通夜なし葬儀は、感染リスクの低減にも寄与する葬儀形式として注目されています。通夜を省略することで、参列者の接触機会を減らし、感染リスクを抑えることができます。コロナ禍を契機に、通夜なし葬儀への関心がさらに高まっているのです。
以上のように、通夜なし葬儀の増加には、社会構造の変化や葬儀観の変化、そして感染症対策など、さまざまな要因が複合的に影響していると考えられます。今後も、遺族の負担軽減や個人の意向を尊重した葬儀のあり方が求められる中で、通夜なし葬儀はさらに選択肢の一つとして定着していくことが予想されます。
通夜なし葬儀の一般的な流れ
ご遺体のお迎えから安置まで
通夜なし葬儀の流れは、まずご遺体のお迎えから始まります。葬儀社の寝台車を使って、病院や自宅からご遺体を安置施設へ搬送します。
安置施設に到着したら、ご遺族立ち会いのもと、ご遺体を安置します。この時、法律で定められている24時間以上の安置期間を確保することが重要です。安置中は、ご遺族が故人との最後の時間を過ごします。
必要な法的手続きと書類準備
ご遺体の安置と並行して、葬儀に必要な法的手続きと書類の準備を進めます。まず、医師による死亡診断書や死体検案書を取得します。
次に、役所で死亡届を提出し、埋葬許可証や火葬許可証を取得します。これらの書類は、葬儀を進める上で必須の法的書類となります。葬儀社がサポートしてくれる場合もありますが、事前に必要書類を確認しておくとスムーズです。
通夜なし葬儀当日の進行
通夜なし葬儀当日は、まず、ご遺体を納棺します。ご遺族が最後のお別れを済ませた後、葬儀社スタッフが納棺を行います。
その後、告別式が執り行われます。通夜なし葬儀の場合、告別式が葬儀の中心的な儀式となります。ご遺族や参列者が弔辞を読み、お別れの時間を持ちます。式の中で、式中初七日も行われることが一般的です。
火葬から納骨までの流れ
告別式が終わったら、火葬場へ向かいます。ご遺族が立ち会いのもと、火葬が行われます。火葬終了後は、収骨を行い、遺骨を骨つぼに納めます。
骨つぼは、一時的に自宅や菩提寺に安置され、のちに納骨されます。納骨は、お墓や永代供養施設など、故人の眠る場所に遺骨を納める儀式です。納骨の日程は、ご遺族の意向により決定します。
以上が、通夜なし葬儀の一般的な流れになります。1日で葬儀を執り行うため、スケジュールがタイトになりがちです。ご遺族の心情に配慮しつつ、滞りなく進行できるよう、事前の準備と当日の段取りが重要です。
通夜なし葬儀の費用と内訳
通夜なし葬儀の平均費用
通夜なし葬儀の費用は、通常の葬儀と比べると全体的に抑えられる傾向にあります。一般的な通夜なし葬儀の平均費用は、約30万円から50万円程度といわれています。
ただし、この金額はあくまでも目安であり、葬儀の規模や内容、地域によっても大きく異なります。費用の内訳を理解し、必要なものを見極めることが賢明な選択につながります。
式場使用料と飲食費の削減効果
通夜なし葬儀では、通夜を行わないため、式場の使用時間が短縮されます。これにより、式場使用料を抑えることができます。
また、通夜で提供される飲食物も不要となるため、飲食費を大幅に削減できます。通常の葬儀では、飲食費が全体の20%から30%を占めるケースもあるため、大きな節約効果が期待できます。
返礼品や香典辞退による費用抑制
通夜なし葬儀では、参列者が限定されるため、返礼品の用意も最小限で済みます。返礼品は、葬儀費用の中でも大きな割合を占めるため、この部分を削減できるメリットは大きいです。
また、香典を辞退するケースも多くなっています。香典辞退の場合、会葬御礼品の用意も不要となるため、さらなる費用の抑制が可能です。
火葬料金と各種手続き費用
通夜なし葬儀でも、火葬料金は必要になります。火葬料金は、地域や火葬場によって異なりますが、概ね5万円から10万円程度が相場です。
また、死亡診断書や死亡届、埋葬許可証など、各種手続きに必要な費用も発生します。これらの費用は、葬儀の形式に関わらず必要なものですが、葬儀社によっては手続き代行サービスを提供しているケースもあります。
費用項目 | 通夜なし葬儀での傾向 |
---|---|
式場使用料 | 使用時間短縮により削減可能 |
飲食費 | 通夜の飲食物が不要となり大幅削減 |
返礼品 | 参列者限定により最小限の用意で済む |
香典返し | 香典辞退のケースも多く、会葬御礼品不要 |
火葬料金 | 葬儀形式に関わらず必要 |
各種手続き費用 | 葬儀形式に関わらず必要 |
通夜なし葬儀は、費用面でのメリットが大きい一方で、故人を偲び、弔うという葬儀本来の意義を大切にすることが何より重要です。ご遺族の意向やご事情に合わせて、最適な葬儀の形式を選択することが大切です。
通夜なし葬儀を検討する際の注意点
参列者の日程調整とコミュニケーション
通夜なし葬儀を検討する際、まず注意すべきは参列者の日程調整です。通常の葬儀と比べて日程の選択肢が限られるため、参列者の都合を十分に考慮する必要があります。
特に、遠方から参列される方がいる場合は、日程の調整が難しくなることも。参列者とのコミュニケーションを密にとり、できるだけ多くの方が参列できるよう配慮しましょう。
また、通夜なし葬儀の趣旨や流れについても、事前に参列者に説明しておくことが大切です。通夜がないことで、故人を偲ぶ時間が限られることを理解してもらうことが重要です。
葬儀社選びと費用の見積もり比較
通夜なし葬儀を執り行うには、葬儀社選びも重要なポイントです。通夜なし葬儀に対応している葬儀社を選ぶことが大前提ですが、費用面での比較も欠かせません。
複数の葬儀社から見積もりを取り、費用の内訳を詳しくチェックしましょう。通夜なし葬儀では、式場使用料や飲食費、返礼品などの削減が可能ですが、葬儀社によって費用設定が異なります。
また、火葬料金や各種手続き費用など、葬儀形式に関わらず必要な費用もあるので、トータルでの費用比較が大切です。見積もりの内容を吟味し、納得のいく葬儀社を選びましょう。
故人の意向と遺族の意向のすり合わせ
葬儀は、故人を偲び、弔うための大切な儀式です。通夜なし葬儀を検討する際は、故人の意向と遺族の意向のすり合わせが欠かせません。
生前、故人が通夜なし葬儀を望んでいたのか、遺族の中で意見が一致しているのかを確認することが大切です。もし意見が分かれる場合は、話し合いを重ねて合意形成を図りましょう。
また、通夜なし葬儀では、参列の機会が限られるため、故人との思い出を語り合う時間が少なくなります。遺族の心情に配慮しつつ、葬儀の内容を工夫することが求められます。
通夜なし葬儀に適した演出と進行の工夫
通夜なし葬儀では、限られた時間の中で故人を偲び、お別れをする必要があります。そのため、葬儀の演出や進行にも工夫が求められます。
例えば、故人の思い出の品を飾ったり、お別れの言葉を述べる時間を設けたりするなど、故人を偲ぶ演出を取り入れることが大切です。また、式の進行をスムーズにするために、司会者との入念な打ち合わせも欠かせません。
通夜なし葬儀では、一般的な葬儀とは異なる進行になることもあるので、参列者にも配慮が必要です。式次第を配布したり、式の流れを説明したりするなど、参列者が戸惑わないような工夫も大切です。
通夜なし葬儀は、その簡素さと手軽さから近年増加傾向にありますが、検討する際は様々な注意点があります。参列者との調整、葬儀社選び、故人と遺族の意向のすり合わせ、葬儀の演出と進行の工夫など、一つ一つ丁寧に対応することが求められます。
通夜の有無に関わらず、葬儀は故人への感謝と尊崇の気持ちを表す大切な儀式です。故人を偲び、お別れをする気持ちを大切にしつつ、十分な準備と配慮のもと、通夜なし葬儀を執り行いましょう。
まとめ
通夜なし葬儀は、近年増加傾向にある簡素で合理的な葬儀形式です。核家族化や高齢化、葬儀観の変化などを背景に、遺族の負担軽減や費用削減のメリットがあります。一方で、参列者の日程調整や故人を偲ぶ時間が限られるなどの注意点もあるため、事前の準備と当日の配慮が大切です。葬儀本来の意義を大切にしつつ、故人と遺族の意向に沿った形で執り行うことが何より重要でしょう。

監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)
家族葬のセレモニーハウスは、神奈川県、東京都、北海道(札幌市)で、心のこもった家族葬をご納得いただける価格でご提供している家族葬専門の葬儀社です。
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