「急逝」と「逝去」の違いとは?適切な使い分けを解説

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2025/04/01
「急逝」と「逝去」の違いとは?適切な使い分けを解説

人の死を伝える表現にはさまざまなものがありますが、そのなかでも「急逝」と「逝去」はよく目にする言葉です。どちらも「亡くなる」という意味をもつ言葉ですが、使い方やニュアンスには重要な違いがあります。本記事では「急逝」と「逝去」の正しい使い分けを詳しく解説していきます。同時に、身近な方が亡くなったときにどのように対応すればよいか、注意すべきマナーなどにも触れています。突然の訃報に備えて、いざというとき役立つ知識をぜひご確認ください。

急逝と逝去の違いを正しく理解する

急逝と逝去は、いずれも人が亡くなることを表す言葉です。しかし、それぞれが持つ意味や使われ方は異なります。ここでは初めに、両者の定義を押さえ、それぞれの違いにフォーカスしてみましょう。

急逝の意味と特徴

急逝(きゅうせい)とは、突然亡くなったことを指す表現です。前日まで元気だった方が、事故や突発的な病気で一瞬のうちに命を落とすようなケースで用いられるのが一般的です。急死という言葉をより丁寧にした表現でもあり、口頭や文面で相手に厳粛な印象を与えます。たとえば、「〇〇氏が交通事故で急逝いたしました」のように用いられ、予期せぬ死であることを強調します。

急逝のポイントは、あくまでも突然・予測不能が前提です。もし長い闘病の末に亡くなる場合や、ある程度死期がわかっていた状況には用いません。ニュースや訃報の文面でも急逝の文字があるときは、「病気の進行が予想よりも早かった」といった意味合いを匂わす場合もありますが、基本的には交通事故や災害など、まさに急を要する事態により亡くなったことを明示します。

逝去の意味と特徴

逝去(せいきょ)とは、「亡くなる」という意味の尊敬語です。故人に対して敬意を表す必要がある場合、特に目上の人や公的な場面において広く使われます。たとえば、「〇〇氏が逝去されました」のように表現し、故人への敬意を込める丁寧な言葉です。

逝去はあくまで尊敬語であるため、親族が自身の家族の死を公に伝える際は少し不自然に感じられるケースもあります。同じ家族の身内の死は「死去」と表現することが多い一方、公的なニュースや公告、お偉い方の訃報などでは「逝去」のほうが好まれるのが一般的です。「逝去にもいろいろな使い方があるのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、基本的には丁寧かつ敬意を込めた言葉として、他者が亡くなったときに用いられる表現だと覚えておくとよいでしょう。

急逝と逝去の違いを深掘りする

ここでは、もう少し具体的に両者の違いを深掘りしていきます。「急逝」と「逝去」の使い分けには、亡くなった人との関係性と死因の背景が大きく関わってきます。

急逝は突然の死を強調する言葉

急逝は、突然、しかも予期しなかったような死を伝える言葉です。たとえば、長い闘病生活があった場合や、亡くなるまでに一定の経緯があった場合は「急逝」とは呼ばないのが原則です。事故に巻き込まれたり、不意の心臓発作が起こったりするなど、「その日の朝には考えてもいなかった悲報」が急逝のニュアンスです。若い方やまだ余命が長いと見込まれていた方が突然亡くなる状況では「急逝」が使われることが多々あります。

また、正式な訃報で「急逝」という言葉が使われる際には、周囲の衝撃度や悲しみの大きさを強調する場合も少なくありません。当人は普段から健康であったにもかかわらず、突然亡くなったということで、周囲は「まさか」「信じられない」という想いを抱きます。そのような場面で「急逝」は適切な言葉ですが、注意点としては故人や遺族の事情を十分に把握していない状態で軽々しく使わないことが望ましいでしょう。

逝去は尊敬を込めて伝える言葉

逝去は、特に目上の人や公的立場のある人が亡くなった際に、敬語として用いられます。ビジネスシーンや新聞の告知などで「〇〇氏が逝去されました」というフレーズを目や耳にしたことがある方は多いかもしれません。たとえば、偉大な政治家が亡くなった場合や、著名な方の訃報を伝える公的な文書の場合、相手への敬意と配慮を示すために「逝去」を用いるのが一般的です。

ただし、親族同士の会話や家族が亡くなった際に「逝去されました」と表現すると、やや堅苦しく感じられたり、違和感を生む可能性があります。また、友人や近しい間柄の人同士であれば、「〇〇が亡くなった」「死去した」などの言い回しのほうが通じやすい場合もあります。したがって、場面や相手との関係性を捉えた上での言葉の選択が何より大切なのです。

急逝に関する類義語の違い

「急逝」は突然の死という意味を強く含みますが、似たような表現はほかにも存在します。特に、死亡したタイミングや経緯を表現するときによく見かける「死去」「急死」「頓死」「即死」などです。これらの言葉も「亡くなった」という意味合いをもつものの、それぞれ背景や使い方が微妙に異なるため、以下でまとめてみましょう。

死去

死去(しきょ)は、身内が亡くなった際に使われやすい表現で、公的なニュースでも「〇〇会長が死去いたしました」と触れることがあります。特に尊敬語とまではいかないため、家族間の会話や一般的な報道でも用いられるオールマイティーな言い回しです。逝去ほど丁寧・敬意表現ではありませんが、個人の尊重を込めやすく、比較的広いシーンで使われます。

急死

急死(きゅうし)は急逝の言い換えとしても使われます。どちらも突然死を表す点で似通っていますが、「急逝」のほうがやや丁寧・文語風の表現です。したがって、ビジネス文書や訃報文面で使われがちなのは「急逝」、日常的な会話や簡潔な報道では「急死」が登場しやすいと考えられます。元気だった若い方や健康な方が不意に亡くなった状況に対して、急死もよく用いられる言い回しです。

頓死

頓死(とんし)は文字通り「とつぜん亡くなる」「急に息絶える」といった意味を持ちます。一般的には日常会話で頻繁に使われることは少なく、文語的あるいは特殊なシーンで用いられる表現です。また、将棋の対局中で不意に逆転負けを喫することを比喩的に「頓死」と言ったりもします。日常生活で訃報を伝える際には、多くは「急逝」または「急死」のほうが自然なので、敢えて頓死を使う場面はそう多くありません。

即死

即死(そくし)は事故や災害によってその場で命を落とすケースを強調した言葉です。たとえば、交通事故で衝突と同時に亡くなったり、高所からの落下事故で打ちどころが悪く瞬時に亡くなったりする際に「即死」が使われます。急逝や急死と違って、死のタイミングが極めて短いことをダイレクトに表しますが、医学的・法的には「何分以内」などと細かい定義があるわけではなく、一般的には「直ちに亡くなった」と解釈される表現です。

急逝・逝去を使うときの注意点

ここからは、実際に「急逝」や「逝去」を使う際の注意点を見ていきましょう。場面や相手との関係性を誤ってしまうと、相手に対して失礼にあたったり、言葉の選択を誤解される可能性があります。悲しい事態に直面したときこそ、適切な言葉を選びたいものです。

急逝を使う際の注意点

予期せぬ死を意味する「急逝」は、病気で長期療養中の方や、ある程度覚悟があった死には用いません。あくまでも急な事故や発作で突然亡くなった場合に使うため、闘病生活を送っていた背景があるときは「逝去」や「死去」のほうが自然です。また、訃報の際に急逝という表現を使うと、周囲は思わず事情を探ろうとする傾向があります。デリケートな状況なので、無用な混乱や動揺を招かぬよう、遺族の意向を踏まえつつ使うようにしましょう。

逝去を使う際の注意点

「逝去」は尊敬語にあたります。ビジネスシーンや公的な場、知らせ方など実にさまざまなケースで使われますが、家族・身内の間でのやりとりでは「逝去」は少々かしこまった印象を与えます。たとえば「父が逝去しました」と家族が口にすると、形式的すぎるという意見もあるため、自然な文脈では「父が亡くなりました」や「死去しました」という言い方にすることも検討してください。

一方で、公的な文書目上の方の訃報で使用するのはむしろ望ましいと言えます。「会長がご逝去されました」「創業者が逝去されました」のような連絡文面では、多くの人が納得感を持って受け止めることができるでしょう。いずれにしても、葬儀の場や弔問の機会など、公的な場面では「逝去」という丁寧な表現を使うことがマナーに適った振る舞いとなります。

身内が急逝した際の対応

もし身内が「急逝」された場合、悲しみやショックのあまり何から手をつけるべきかわからなくなることもあります。しかしながら、医師や警察、葬儀社への連絡など、やらなければならない事柄がいくつか存在します。ここでは自宅で急逝した場合と病院で急逝した場合に分けて、その流れを確認しておきましょう。

自宅で急逝した場合

自宅で突然亡くなったときは、まずかかりつけ医や警察に連絡をとる必要があります。事故や事件性の有無を確認するために警察が駆けつける場合もあり、状況によっては現場検証が入ります。遺族としては動揺のさなかにいるかもしれませんが、警察官や医師の指示に従いながら対応します。場合によって警察から死体検案書が交付され、あとで死亡届を提出する際に必要になります。

死亡届は役所に提出しなければいけませんが、葬儀社が手続きをサポートしてくれるケースもあります。すぐに葬儀社に連絡し、遺体の搬送や安置、葬儀の日程調整などを依頼することも大切です。激しいショックの中、慌ただしい手続きに追われがちですが、周囲の助けを借りながら、落ち着いて一つ一つ進めることが大切となります。

病院で急逝した場合

病院で亡くなった場合には、基本的に担当医から死亡診断書を発行してもらいます。24時間以内の火葬は法律で禁止されていますので、直接火葬場へ行くことはできず、まずは葬儀社や斎場へ連絡を入れ、安置場所や葬儀の日程を決めていく流れとなります。なお、既に入院患者であった場合でも、「急逝」という言葉が使われるほど予期せぬ急変があったケースでは家族の混乱も大きいかと思います。周りのサポートを受けながら対処し、必要な連絡を漏れなく行ってください。

親族や知人から急逝の連絡を受けたときのマナー

突然の訃報、それも急逝であるという連絡を受けると、誰しも動揺を隠せないものです。しかし、そのような場面でもマナーや配慮が求められます。具体的にはお悔やみの言葉、慰め、弔問のタイミングなど、遺族の気持ちに寄り添った振る舞いが大切です。以下で見ていきましょう。

お悔やみの言葉を述べる

連絡を受けたら、まずは「心からお悔やみ申し上げます」「ご愁傷さまです」など、簡潔ながら相手の悲しみに寄り添うような言葉を伝えます。長々と話すよりも、相手の様子を見つつ、短いながらも真摯な気持ちが伝わる言葉を選ぶようにしましょう。余計な詮索や質問は避け、遺族が心落ち着くまで静かに寄り添う姿勢が求められます。

お通夜や葬儀の日程を確認する

親族や知人が急逝したと聞いた場合、次に気になるのはお通夜や葬儀の予定です。遺族側の準備も慌ただしい中ですので、あまり詳細なことを質問しすぎず、日時や会場の場所のみを確認しましょう。出席が難しい場合でも、代理人を立てるなど、可能な限り弔意を示す配慮が大切です。突然の出来事であるだけに、遺族側も手探り状態にありますので、こちらから協力できることがあれば申し出るとよいでしょう。

死因を問いたださない

急逝と連絡を受けると、普通の死去よりも「なぜそんな急に?」と疑問がわく場合があります。しかし、遺族にとってはとてもつらい状況であり、詳細を説明したくない、あるいはまだ混乱して整理できていないかもしれません。突然の死ですので、家族自身もよくわからない場合も多々あり得ます。死因を問いただす行為は遺族にとって大きな負担となる場合がほとんどのため、慎むことが望ましいでしょう。

まとめ

この記事では、「急逝」と「逝去」の違い、それぞれの言葉の意味や使い方、さらに注意点や対応策まで順を追って解説しました。どちらの言葉も死に関する重要な表現であり、故人への敬意を込めたり、遺族に対して配慮を示したりする意味を持ちますが、その使い分け方を誤ると失礼になる可能性もあります。以下に結論を箇条書きでまとめます。

  • 急逝は突然の死を意味する。事故や災害など予測不能なケースによく用いる。
  • 逝去は尊敬の念を込めた「亡くなる」の意味で、目上の人や公的な訃報に使う。
  • 身内の死には「死去」が一般的。公的な場で他人の死を知らせる際は「逝去」が望ましい。
  • 急逝時には医師や警察への連絡が最優先。続いて葬儀社へ連絡し、必要書類の準備を進める。
  • 急逝の連絡を受けたら、死因を詮索せず、お悔やみと弔意を短く伝え、葬儀の日時を確認する。

ご覧いただいたように、「急逝」「逝去」の使い分けは、故人の状況や敬意を示す相手との関係性を踏まえて判断することが大切です。突然の訃報は誰しも動揺を禁じえませんが、適切な表現や行動で慎みをもって対応し、故人を悼む気持ちを丁寧に表しましょう。



監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)

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