死化粧・エンゼルケアとは?手順と費用相場を解説

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2024/06/10
死化粧・エンゼルケアとは?手順と費用相場を解説

大切な人を亡くした際、ご遺族は故人をきれいな姿で見送りたいと願うものです。そこで重要となるのが、死化粧・エンゼルケアです。しかし、具体的にどのような手順で行われ、費用がいくらかかるのか、湯灌やエンバーミングとの違いは何かなど、分からないことも多いのではないでしょうか。本記事では、死化粧・エンゼルケアの意味や目的、手順、料金相場などを詳しく解説します。故人への敬意を込めた、適切な方法でのお見送りができるよう、ぜひ参考にしてください。

死化粧・エンゼルケアの意味と目的

死化粧・エンゼルケアの定義

死化粧・エンゼルケアとは、亡くなった方のご遺体に対して行う、清拭や整容、着替えなどの一連の処置のことを指します。ご遺体を丁寧に扱い、尊厳を持って最期のお別れができるように準備することが目的です。

故人とご遺族への配慮

死化粧・エンゼルケアは、故人に対する敬意と、ご遺族の心情に配慮して行われます。生前の姿に近づけるように、髪を整え、化粧を施すことで、安らかな表情で旅立ちを迎えられるようにします。また、ご遺族が最後の別れを惜しむ際に、きれいな姿で見送ることができるよう心がけます。

死化粧・エンゼルケアを行う理由

死化粧・エンゼルケアを行う主な理由は以下の3つです。

  1. 故人の尊厳を守るため
  2. ご遺族の心情に寄り添うため
  3. 感染症や体液漏出を防ぐため

特に、ご遺族にとって大切な方の最期の姿は、深く心に刻まれるものです。その思い出が、少しでも穏やかで美しいものとなるよう、専門スタッフが丁寧に死化粧・エンゼルケアを行います。

死化粧・エンゼルケアの具体的な手順

死化粧・エンゼルケアは、故人への敬意と尊厳を守るために、専門スタッフによって丁寧に行われます。ここでは、その具体的な手順について解説します。

医療器具の抜去と排泄物の処理

まず、ご遺体に装着されている医療器具や管類を抜去します。その際、創部からの出血や体液の漏出に注意が必要です。次に、ご遺体の口腔内や鼻腔、気管内の分泌物を吸引し、清拭します。また、排泄物や胃内容物などを適切に処理し、ご遺体を清潔に保ちます。

ご遺体の清拭と口腔ケア

ご遺体全体を温かいタオルで丁寧に清拭し、汚れや体液を取り除きます。特に、顔や手足、陰部などは入念に行います。口腔内は、歯ブラシや綿棒を用いて清掃し、義歯を装着している場合は、洗浄後に装着します。

着替えと整容・化粧

ご遺族の意向を伺いながら、ご遺体に着せる衣類を選びます。下着から順に、しわや乱れがないように丁寧に着せていきます。髪は、故人の生前の髪型を再現するように整えます。男性の場合は、ひげ剃りも行います。化粧は、生前の写真などを参考に、自然で穏やかな表情になるように施します。

以上が死化粧・エンゼルケアの主な手順ですが、ご遺族の意向に沿って、柔軟に対応することが大切です。故人とご遺族に寄り添い、心を込めて行うことが、死化粧・エンゼルケアの本質といえるでしょう。

死化粧・エンゼルケアの手順内容
1.医療器具の抜去と排泄物の処理医療器具の抜去、分泌物の吸引、排泄物の処理
2.ご遺体の清拭と口腔ケア全身の清拭、口腔内の清掃、義歯の装着
3.着替えと整容・化粧衣類の着せ替え、髪型の整え、ひげ剃り、化粧

死化粧・エンゼルケアと類似サービスの違い

ご遺体に対するケアには、死化粧・エンゼルケアの他にも、湯灌(ゆかん)やエンバーミングなどの方法があります。それぞれの特徴や違いを理解することで、故人とご遺族の意向に合ったサービスを選択することができます。

死化粧・エンゼルケアと湯灌の違い

湯灌は、ご遺体を湯船に入れて、体を拭き清める伝統的な方法です。仏教の儀式として行われることが多く、故人の魂を清めるという意味合いがあります。一方、死化粧・エンゼルケアは、現代的な方法で、ご遺体を清潔にし、整容・化粧を施すことに重点を置いています。湯灌と比べると、儀式的な要素は少なく、故人の尊厳とご遺族の心情に配慮したケアといえます。

死化粧・エンゼルケアとエンバーミングの違い

エンバーミングは、ご遺体に薬剤を注入し、腐敗を防ぐ処置です。主に、海外へ搬送する際や、長期間の保存が必要な場合に行われます。死化粧・エンゼルケアは、あくまでご遺体を清潔にし、見た目を整えることが目的であり、腐敗防止処置は含まれません。エンバーミングは、医療行為に近い専門的な処置であるのに対し、死化粧・エンゼルケアは、故人とご遺族に寄り添うケアといった側面が強いといえるでしょう。

ご遺族の意向に合わせたサービス選択

死化粧・エンゼルケア、湯灌、エンバーミングは、それぞれ目的や方法が異なります。大切なのは、故人とご遺族の意向に沿ったサービスを選択することです。宗教的な背景がある場合は、湯灌を好まれる方もいらっしゃいます。一方、故人の生前の姿に近づけることを重視する場合は、死化粧・エンゼルケアが適しているでしょう。エンバーミングは、特殊な事情がある場合に限られます。

葬儀社や斎場のスタッフと十分に相談し、故人とご遺族にとって最良の選択をすることが大切です。

サービス目的特徴
死化粧・エンゼルケアご遺体の清拭、整容、着替え故人の尊厳とご遺族の心情に配慮
湯灌ご遺体を湯船に入れて清める仏教の儀式として行われることが多い
エンバーミングご遺体の腐敗を防ぐ海外搬送や長期保存の際に行われる

死化粧・エンゼルケアの料金相場と依頼方法

死化粧・エンゼルケアは、故人とご遺族に寄り添う大切なサービスですが、料金や依頼方法について不安を感じる方も多いのではないでしょうか。ここでは、死化粧・エンゼルケアの費用の目安や、病院で行う場合の料金、葬儀社への依頼方法と注意点について解説します。

死化粧・エンゼルケアの費用の目安

死化粧・エンゼルケアの料金は、依頼する業者や施設、サービス内容によって異なります。一般的な目安としては、以下のようになります。

  • エンゼルケア(死化粧):10,000円〜30,000円
  • 湯灌を含むプラン:50,000円〜100,000円

ただし、これはあくまで目安であり、追加のオプションサービスを利用した場合や、地域によっても料金は変動します。

病院で行う場合の料金

病院で死化粧・エンゼルケアを行う場合、料金は比較的リーズナブルになる傾向があります。看護師や病院スタッフによるエンゼルケアの場合、3,000円〜15,000円程度が相場です。ただし、病院によってはサービスを提供していない場合や、死化粧は行わず、簡単な整容のみというケースもあります。事前に病院の方針を確認しておくことが大切です。

葬儀社への依頼方法と注意点

葬儀社に死化粧・エンゼルケアを依頼する場合は、以下の点に注意しましょう。

  1. 提供しているサービス内容と料金を確認する
  2. スタッフの経験と技術を確認する
  3. ご遺族の意向をしっかりと伝える
  4. 納得のいく費用の見積もりを取る

葬儀社によっては、プランに死化粧・エンゼルケアが含まれている場合もありますが、別途料金が発生するケースが多いです。ご遺族の意向を踏まえ、必要なサービスを選択することが重要です。また、スタッフの技術や経験も重要な要素ですので、事前に確認しておくとよいでしょう。

死化粧・エンゼルケアは、故人とご遺族にとって大切な意味を持つサービスです。料金や依頼方法に不安を感じる方も多いかもしれませんが、事前の情報収集と、ご遺族の意向を尊重することで、より良いお別れの時間を迎えることができるはずです。

まとめ

死化粧・エンゼルケアは、亡くなった方のご遺体に対し、清拭や着替え、整容などを行うことで、故人の尊厳を守り、ご遺族の心情に寄り添うためのサービスです。医療器具の抜去や排泄物の処理から始まり、ご遺体を丁寧に清め、生前に近い姿に整えていきます。湯灌は伝統的な儀式であるのに対し、エンバーミングは腐敗防止が目的であり、それぞれ死化粧・エンゼルケアとは異なります。料金は内容により異なりますが、病院で行う場合は3,000円~15,000円程度が目安です。葬儀社へ依頼する際は、サービス内容や料金、スタッフの技術を確認し、ご遺族の意向を伝えることが大切です。



監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)

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