家族葬でも受付は必要?マナーと流れを解説
家族葬を執り行う際、受付を設置するべきか悩んでいませんか?実は参列者の人数や香典の有無によって、受付の必要性が変わってきます。この記事では、家族葬における受付の役割や設置基準、また受付の仕事内容やマナーについて詳しく解説します。これを読めば、スムーズで円滑な家族葬の運営に役立つはずです。
家族葬における受付の必要性
家族葬で受付は必ず必要なのか
家族葬は故人と親しい人のみで行う小規模な葬儀のため、必ずしも受付を設ける必要はありません。参列者が10名程度の場合は、喪主や親族が直接出迎えて対応することも可能です。
ただし、参列者が20名以上になる場合や、香典を受け取る際には、混乱を避けるために受付を設置することが推奨されます。受付があることで、スムーズな進行と参列者の管理がしやすくなるでしょう。
受付が必要となるケースと不要なケース
受付が必要になるのは以下のようなケースです。
- 参列者が多い(20名以上)
- 香典を受け取る
- 参列者の把握が必要
- 返礼品を渡す
一方、以下の場合は受付は不要と言えるでしょう。
- 参列者が少ない(10名程度)
- 香典を受け取らない
- 参列者が身内のみ
香典を受け取る場合の受付の重要性
香典を受け取る場合は、受付を設置したほうがいいでしょう。香典は正式な記録を残す必要があり、受け取った際にはその場で記録することが求められます。
また、後日お礼状を送る際にも、芳名録をもとに宛名や金額を確認する必要があります。受付がないと、香典の管理が難しくなり、トラブルの原因にもなりかねません。
参列者数と受付設置の関係性
受付設置の目安となる参列者数は、およそ20名以上と言われています。ただし、これはあくまで目安です。
会場の広さや、親族の人数、参列者の年齢構成なども考慮して、最終的に判断するのが良いでしょう。受付があれば、参列者へのきめ細やかな対応が可能になります。
参列者数 | 受付設置 |
---|---|
~10名 | 不要 |
10名~20名 | 状況に応じて検討 |
20名~ | 設置を推奨 |
参列者数が多くなるほど、受付の重要性は増していきます。万が一トラブルが起きても、受付の記録があれば、状況を把握しやすくなるでしょう。
家族葬の受付の仕事内容
家族葬の受付は、参列者の管理や香典の受け取りなど、重要な役割を担います。ここでは、受付の具体的な仕事内容について解説していきます。
参列者への挨拶と案内
受付の基本的な仕事は、参列者への丁寧な挨拶と案内です。受付に到着した参列者に対し、「本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます」と心を込めて挨拶をしましょう。
その後、会場までの案内や、受付で行う手続きの説明を行います。参列者が快適に過ごせるよう、わかりやすく丁寧な説明を心がけることが大切です。
香典の受け取りと記帳の手順
香典を受け取る際は、まず香典袋に記名があるかを確認します。記名がない場合は、参列者に記入していただくよう伝えましょう。
香典を受け取ったら、その場で金額を確認し、記録します。記録の際は、漏れや誤記がないよう注意が必要です。香典は、後ほど喪主に引き継ぐ大切なものなので、慎重に扱いましょう。
芳名録の管理方法
受付では、参列者の芳名録を管理する必要があります。芳名録は、参列者全員に記帳してもらうようにしましょう。
また、芳名録は後日の礼状送付にも使用するため、記入漏れがないかを確認しなければなりません。芳名録は受付終了後、喪主に確実に引き継ぎましょう。
返礼品の配布タイミングと方法
家族葬では、参列者へのお礼として返礼品(会葬御礼品)を用意することがあります。受付は、芳名録に記帳してもらった後に返礼品を手渡します。
その際は、「お忙しい中お参りいただき、ありがとうございました」と一言添えて手渡すのがマナーです。返礼品の配布は、参列者への感謝の気持ちを表す大切な仕事と言えるでしょう。
受付終了後の引継ぎ業務
受付の仕事は、葬儀終了後も続きます。受付終了後は、香典袋と記録を照合し、過不足がないかを確認します。
また、記帳内容に誤りがないかのチェックも必要です。最後に、喪主にこれらを引き継ぎ、受付の仕事は終了となります。葬儀の最後まで、緊張感を持って仕事に取り組むことが大切と言えるでしょう。
家族葬の受付を頼む際のマナー
家族葬の規模にもよりますが、受付の設置が必要と判断した場合は、誰かに受付を頼むことになります。多くの場合、親戚や友人・知人に依頼することが一般的です。ここでは、受付を頼む際のマナーについて解説します。
受付を依頼する際の例文
受付を頼む際は、「家族葬の受付をお願いしたい」と切り出し、日時や場所、大まかな参列者数などを伝えましょう。依頼する相手の立場に立って、丁寧な言葉遣いを心がけることが大切です。
例えば、以下のような例文を参考にすると良いでしょう。
「〇月〇日に行う〇〇の家族葬ですが、受付をお願いできないでしょうか。会場は〇〇で、参列者は〇〇名ほどの予定です。お忙しいところ恐縮ですが、ご協力いただけると助かります。」
依頼のタイミングと連絡方法
受付は葬儀の要となる大切な役割のため、できるだけ早めに依頼するのが望ましいです。
連絡方法は、電話や直接会って頼むのが一般的です。メールやチャットでの依頼は、トーンや雰囲気が伝わりにくいため避けた方が無難と言えます。
お礼の品物の選び方
受付を引き受けてもらった方には、お礼の品物を贈る場合もあります。何を贈るかについては、特に決まりはありません。
香典返しなど、弔事のお礼の品では「不幸があとあとまで残らないように」という願いを込めて、食べたり使ったりしてなくなる「消え物」と呼ばれる消耗品が選ばれます。 受付に対するお礼も、お菓子などの消え物を選ぶとよいでしょう。
受付を務める際の準備と心構え
家族葬の受付を務めるにあたり、事前の準備と当日の心構えが重要になります。ここでは、受付に必要な物品や服装、心がけたい所作などについて詳しく解説します。
受付に必要な物品と準備すべき数量
受付で必要となる物品は以下の通りです。
物品名 | 数量 | 用途 |
---|---|---|
受付名簿(芳名録) | 1冊 | 参列者の記帳用 |
筆記用具 | 3〜5本 | 記帳時に使用 |
香典受け | 1個 | 香典の一時保管用 |
返礼品 | 参列者数分 | 参列者へ配布 |
ネームプレート | 1枚 | 受付担当者の明示用 |
事前に必要数量をリストアップし、不足のないよう万全の準備を整えましょう。特に返礼品の数量は、不意の弔問客に備えて参列予定者数よりも少し多めに用意することが大切です。
男性と女性の服装マナー
受付を務める際の服装は、男女ともに基本的には礼服が相応しいとされています。男性は黒のスーツに白ワイシャツ、黒の靴を着用しましょう。ネクタイもは黒または墨の色を選ぶのがマナーです。
一方、女性は黒のワンピースかスーツに、白や薄いグレーのブラウスを合わせるのが一般的です。靴は黒のパンプスで、ヒールの高さは5cm程度までに抑えるのが無難と言えるでしょう。
アクセサリーは最小限にとどめ、髪は清潔感のあるまとめ髪にするのが望ましいです。香水は控えめにし、メイクも派手すぎないよう注意が必要です。
受付で心がけたい言葉遣いと所作
受付では、参列者に対する言葉遣いや所作に細心の注意を払う必要があります。挨拶は「お越しいただきありがとうございます」と丁寧語で統一し、相手の目を見て話すことを心がけましょう。
姿勢は背筋を伸ばし、手は組まずに体の前で重ねるのがマナーです。香典を受け取る際は、両手で丁重に受け取りましょう。
参列者への案内は、笑顔を心がけつつ、ゆっくりとわかりやすく説明することが大切です。トラブルが発生した場合も、落ち着いて冷静に対応するよう努めましょう。
葬儀の流れと施設の把握
受付を円滑に進めるためには、葬儀全体の流れを把握しておく必要があります。 開式→読経→焼香→閉式の基本的な流れは確認しておきましょう。
また、葬儀施設内の設備や動線についても、可能な限り下見をしておくと良いでしょう。お手洗いや休憩スペースの位置を把握し、参列者から問い合わせがあった際にスムーズに案内できるよう備えましょう。
トラブル発生時の対処法
受付で起こりうるトラブルとしては、芳名録の記載ミスや、返礼品の不足などが考えられます。そのような事態が発生した場合は、まずは深呼吸をして冷静になることが大切です。
その上で、喪主や葬儀社スタッフに速やかに報告し、指示を仰ぎましょう。参列者には事情を丁寧に説明し、不快な思いをさせないよう最大限の配慮が必要です。
万が一に備え、代替となる芳名録や返礼品を予め用意しておくのも一つの方法と言えます。いざという時に慌てないよう、シミュレーションを行っておくことをおすすめします。
受付は葬儀の第一印象を左右する大切な役割です。準備を怠らず、礼儀と思いやりの心を持って務めることが何より重要と言えるでしょう。
家族葬で受付を設置しない場合の留意点
家族葬では、参列者が少ない場合や身内だけで行う場合、受付を設置しないケースもあります。しかし、受付がない場合でも、いくつかの点に留意しておく必要があるでしょう。
参列者の把握と管理方法
受付を設けない場合、参列者の把握と管理を別の方法で行う必要があります。事前に参列者リストを作成し、当日はそれをもとに参列者を確認するのが効果的です。
リストは、喪主や親族が管理し、参列者の到着時にチェックを入れていきます。欠席者や追加の参列者がいないかも確認しておきましょう。参列者の把握は、後の香典の確認やお礼状の送付にも必要な情報となります。
香典の受け取りと管理の方法
受付がない場合、香典の受け取りと管理も喪主や親族が行うことになります。
受け取った香典は、その場で金額を確認し、記録します。香典袋と芳名録は、喪主が最後まで責任を持って管理することが大切です。
参列者への挨拶と案内の工夫
受付がない分、参列者への挨拶と案内は喪主や親族が直接行う必要があります。式場の入り口で参列者を出迎え、「お越しいただきありがとうございます」と丁重に挨拶をしましょう。
会場までの案内は、口頭だけでなく、矢印の看板を設置するなど工夫をするとよいでしょう。参列者が迷わず、スムーズに会場にたどり着けるよう配慮することが大切です。
トラブルを回避するための事前準備
受付がない分、想定されるトラブルに備えて事前準備をしておくことが重要です。例えば、急な参列者の追加により、返礼品が不足するケースも想定されます。予備の返礼品を用意しておくなど、臨機応変に対応できるよう備えておくことが賢明と言えるでしょう。
総じて、家族葬で受付を設置しない場合は、参列者の把握と案内、香典の管理など、本来受付が行う業務を喪主や親族が担うことになります。入念な事前準備と、臨機応変な対応が求められる点に注意が必要です。
受付の有無にかかわらず、参列者をもてなす心を忘れずに、故人を偲ぶ大切な儀式が滞りなく進むよう、万全の準備を整えることが肝要と言えるでしょう。
まとめ
家族葬では、参列者の人数や香典の有無によって受付の必要性が変わります。多くの参列者が見込まれる場合や、香典を受け取る際は、混乱を避けるために受付を設置することをおすすめします。受付には、参列者への挨拶や案内、香典の受け取りと記帳、返礼品の手渡しなど、大切な役割があります。また、受付の依頼は早めに行い、必要に応じてお礼の品物も用意しましょう。受付を担当する際は、礼服を着用し、言葉遣いや所作に気をつけることが大切です。一方、受付を設けない場合は、参列者の把握を別の方法で行い、トラブルに備えた準備も必要です。いずれにせよ、故人を偲ぶ大切な儀式が滞りなく進むよう、入念な事前準備を心がけましょう。
監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)
家族葬のセレモニーハウスは、神奈川県、東京都、北海道(札幌市)で、心のこもった家族葬をご納得いただける価格でご提供している家族葬専門の葬儀社です。
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