喪中期間の神棚はどうすればいい?正しい神棚封じについて解説
大切な人を亡くし、深い悲しみを抱えている方も多いのではないでしょうか。そのような中で、喪中期間中の神棚の扱いについて、戸惑う方も少なくありません。この記事では、神棚封じの目的や手順、喪中期間中の注意点などを詳しく解説します。正しい知識を持つことで、故人への感謝の気持ちを込めながら、伝統的な慣習を大切にする時間を過ごすことができるでしょう。
喪中と神棚封じの基本
喪中とは何か
喪中とは、身内に不幸があり、故人を追悼する期間のことを指します。一般的に喪中の期間は、亡くなった方の命日から数えて約1年間とされています。この期間中は、冠婚葬祭などの慶事を控えめにし、故人を偲ぶことが習わしとなっています。
喪中の期間は、故人との関係性によって異なります。配偶者や親、子供の場合は1年間、兄弟姉妹や祖父母の場合は3~6ヶ月間とするのが一般的です。ただし、これはあくまでも目安であって近年はあいまいになりつつあります。
神棚封じの目的と意義
神棚封じとは、忌中に神棚を閉じ、神様を死の穢れから守るための儀式です。神道では、死は穢れであると考えられており、神様の力を保護するために神棚を封じる必要があるとされています。
神棚封じを行うことで、死の穢れが神様に影響を与えることを防ぎ、故人の冥福を祈ることができます。また、喪中の期間中は神棚への礼拝もする必要はありません。
忌中と喪中の違い
忌中と喪中は、どちらも身内に不幸があった場合に使われる言葉ですが、意味合いや期間が異なります。忌中とは、故人に祈りを捧げる短期間のことを指し、一般的に50日以内とされています。一方、喪中とは、故人を追悼する長期間のことを指し、原則的には約1年間とされています。
忌中の期間中は、神社の参拝や慶事、お歳暮・お中元などの贈り物や旅行などを控えることが一般的です。喪中の期間中は、冠婚葬祭などの慶事やお正月のお祝いを控えめにすることが習わしとなっています。忌中の期間が終わっても、喪中の期間は継続するため、注意が必要です。
神棚封じのタイミング
神棚封じのタイミングは、故人が自宅に戻った後や葬儀後が一般的です。ただし、地域や家庭によって異なる場合もあります。
神棚封じを行う際は、以下の手順を参考にしてください。
- 神様に故人の死を報告し、神棚を封じることを伝える
- 神棚に供えられている榊やお供物を下げる
- 神棚の扉を閉め、中央に白い半紙を貼る
- しめ縄がある場合は、半紙の上から貼る
神棚封じは、故人の冥福を祈り、神様を死の穢れから守るための大切な行為です。神棚封じの期間中は、神棚に手を触れず、掃除や礼拝を控えることが重要です。また、新年を迎える場合は、正月飾りを控え、お札の交換は忌明けに行うことが望ましいとされています。
神棚封じの手順と注意点
神棚封じの準備
神棚封じを行う前に、必要な準備を整えましょう。用意するものは、白い半紙とセロハンテープです。
半紙の大きさは神棚のサイズに合わせる必要はありません。そのままの大きさで大丈夫です。
神様への報告と挨拶
神棚封じを始める前に、まずは神様に故人の死を報告し、神棚を封じることを伝えます。神棚の前に立ち、誰が亡くなったかを報告します。
神様への報告と挨拶は、丁寧に行うことが大切です。
榊やお供物の取り扱い
神様への報告と挨拶が終わったら、神棚に供えられている榊やお供物を下げます。榊は、神様への奉納の印として飾られているため、丁重に扱う必要があります。
神棚を封じている期間中は、榊や御供物を飾る必要はありません。
扉の閉め方としめ縄の処理
榊やお供物を下げたら、神棚の扉を閉めます。扉の中央に、先ほど用意した白い半紙を貼り付けます。半紙は、神棚を封じる印として使用します。
神棚にしめ縄が飾られている場合は、しめ縄の上から半紙を貼り付けます。
代理で神棚封じを行う場合の留意点
神棚封じは故人の家族以外の第三者が行います。家族は故人の死に接していて穢れているという理由で、通常はできません。
近所の人や離れて暮らす親戚、葬儀社の人にお願いするのが一般的です。
しかし、近年では葬儀が小規模化して頼める人が少なくなり、家族が行うケースも増えつつあります。
喪中期間中の神棚の扱い
喪中期間中は、神棚の扱いにも注意が必要です。神道では、死は穢れであると考えられており、神様を守るために、神棚を封じる必要があります。ここでは、喪中期間中の神棚の扱いについて詳しく見ていきましょう。
喪中期間中の禁止事項
喪中期間中は、以下のような神棚に関する行為は控えるべきとされています。
- 神棚の掃除や整理
- 神棚への礼拝や祈願
- 神棚へのお供え物の交換
- 神棚の扉を開けること
特に、喪中期間の初めの50日間は、神棚に一切触れないようにしましょう。この期間は、故人の冥福を祈る大切な時期であり、神棚を封じることで、死の穢れから神様を守ることができると考えられています。
新年を迎える際の注意点
喪中期間中に新年を迎える場合は、神棚の扱いにも注意が必要です。通常、新年には神棚に正月飾りを飾りますが、喪中の場合は控えてください。
門松や鏡餅などの正月飾りも飾らない方が無難です。
お札の交換時期
神社から授与されるお札は、通常1年ごとに新しいものに交換しますが、喪中の場合は、交換時期を延期します。喪中明けに新しいお札に交換するのが一般的です。
ただし、お札の交換時期は、地域や神社によって異なる場合があります。詳しくは、神社の宮司さんや神職の方に相談するのが良いでしょう。
仏壇との違い
神棚と仏壇は、ともに先祖を祀る場所ですが、喪中期間中の扱いが異なります。神棚は、死の穢れから神様を守るために封じる必要がありますが、仏壇は封じる必要がありません。
仏壇は、故人の魂を弔うための場所であり、喪中期間中も、毎日仏壇に向かってお参りをします。また、仏壇には、故人の好きだった花やお菓子、お酒などを供えることで、故人を偲ぶことができます。
以上が、喪中期間中の神棚の扱いについての解説です。喪中は、故人を偲び、家族で過ごす大切な時間です。神棚を封じることで、神様を守りながら、故人への感謝の気持ちを忘れずに過ごしましょう。
神棚封じの解き方
喪中期間が終わり、忌明けを迎えたら、神棚を開き、再び神様への礼拝を始める時期となります。ここでは、神棚封じの解き方について、詳しく見ていきましょう。
神棚封じを解くタイミング
神棚封じを解くタイミングは、神道の場合、五十日祭(忌明け)が終わった後が一般的です。五十日祭とは、故人の死後50日目に神道で行われる法要で、この日に喪が明けるとされています。
ただし、地域や家庭によって、解くタイミングが異なる場合もあります。仏教を信仰している場合は、四十九日が終わった後に解く習慣もあります。詳しくは、家族や親戚、地域の慣習に従うようにしましょう。
半紙の剥がし方と扉の開け方
お供物の再開
神棚の扉を開けたら、神棚を清掃し、新しいお供物を用意します。お供物は、神様への感謝の気持ちを込めて、心を込めて準備しましょう。
お供物は、季節の花や果物、お酒などを用意するのが一般的です。ただし、お供物の内容は、地域や家庭によって異なる場合もあります。詳しくは、家族や親戚、地域の慣習に従うようにしましょう。
神様への報告と感謝
お供物を用意したら、忌中が無事に終わったことに対する感謝と故人が安らかに眠れるようにとの気持ちを込めて拝礼します。
神棚封じを解いた後は、以前と同様の礼拝を再開します。
以上が、神棚封じの解き方についての解説です。神棚を開く際は、故人への感謝の気持ちを忘れずに、神様への敬意を持って行いましょう。喪中期間を経て、再び神様とのつながりを感じられる時間を大切にしていきましょう。
神棚封じの意義と現代的解釈
神道における死生観
神道では、死は「穢れ」であると考えられています。この「穢れ」は、神様の力を弱めるとされ、神棚を封じることで、神様を守る必要があるとされてきました。しかし、現代社会において、死に対する価値観は多様化しており、必ずしも死を「穢れ」ととらえる必要はないでしょう。
むしろ、大切な家族を亡くした悲しみや、故人への感謝の気持ちを込めて、神棚に向き合うことが重要です。神棚封じは、故人を偲び、家族で過ごす時間を大切にする機会ととらえることができます。
伝統的慣習と現代生活のバランス
神棚封じは、古くから伝わる伝統的な慣習ですが、現代の生活スタイルとの兼ね合いを考える必要があります。仕事や家事など、日常生活を維持しながら、どのように喪に服するかは、家族で話し合い、バランスを取ることが大切です。
また、神棚封じの方法や期間についても、地域や家庭によって異なる場合があります。柔軟に対応し、無理のない範囲で伝統を守ることが望ましいでしょう。
家族で故人を偲ぶ時間の大切さ
喪中期間は、故人を偲び、家族で過ごす大切な時間です。神棚を封じることで、日常の喧騒から離れ、故人への感謝の気持ちを込めて過ごすことができます。
また、神棚封じを通じて、家族で故人について語り合うことで、故人への思いを共有し、絆を深めることができるでしょう。悲しみを乗り越え、前を向いて生きていくためにも、家族の支え合いが不可欠です。
地域や個人の慣習の多様性
神棚封じの方法や期間は、地域や家庭によって異なります。一般的な慣習を参考にしつつも、自分たちなりのやり方を見出していくことが大切です。
また、神道の考え方に縛られず、故人や家族の意向を尊重することが何より重要です。時代とともに変化する価値観の中で、伝統と現代のバランスを取りながら、自分たちなりの喪の過ごし方を見つけていきましょう。
神棚封じは、単なる形式的な行為ではなく、故人への感謝と家族の絆を確認する大切な機会です。現代社会においても、その意義を見失わずに、柔軟に向き合っていくことが求められています。
まとめ
喪中期間中の神棚の扱いは、故人への感謝と敬意を込めながら、神様を守るための大切な慣習です。神棚封じは、故人が自宅に戻った後や葬儀後に行い、白い半紙で神棚の扉を閉じることで、死の穢れから神様を守ります。喪中期間中は神棚の掃除や礼拝を控え、新年の際は正月飾りを控えましょう。五十日祭後に神棚を開き、お供え物を再開します。地域や家庭により慣習の詳細は異なりますが、伝統と現代のバランスを取りつつ、故人を偲び家族の絆を深める大切な機会と捉えることが肝要です。
監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)
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