淋しお見舞いのマナー|選び方から金額相場まで完全ガイド

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2025/04/01
淋しお見舞いのマナー|選び方から金額相場まで完全ガイド

大切な方の通夜に参列するとき、遺族への気遣いとして用意される「お淋し見舞い」は、地域によってはなじみが薄い場合もあります。しかし、特に愛知県や岐阜県、三重県などの一部では通夜の夜を共にする遺族の心を和らげるために欠かせない習慣となっています。本記事では、お淋し見舞いの基本的な意味や準備方法から、品物・金額などの具体的なマナーに至るまでをわかりやすく解説します。初めて準備する方でも迷わないよう、選び方のコツや注意点を綿密にまとめました。葬送のシーンで戸惑うことなく適切な気遣いができるよう、ぜひ最後までご一読ください。

お淋し見舞いとは何か

お淋し見舞いは通夜に訪れる人が用意する手土産として、多くの遺族から感謝される風習です。ここでは、その意義や特徴を理解し、正しい気遣いを行うための基礎知識を把握しましょう。

通夜の見舞いとしての役割

通夜の席では、遺族が長い時間をかけて故人を見送り、心身ともに疲れを感じる場面が少なくありません。そこで通夜の夜を和ませる心遣いとして贈られるのがお淋し見舞いです。もともと、亡くなった方を悼む気持ちと共に、残された遺族を支える意味合いが込められています。多くの場合、食べ物や飲み物といった差し入れが選ばれますが、名目としては香典やお供え物とは別扱いになる点が重要です。

通夜に参列する側から見れば、「悲しみを和らげてあげたい」「少しでも力になりたい」という思いが、淋し見舞いを通じて形になります。一方、遺族側からすると、長時間にわたる弔問客への対応や翌日の葬儀準備で食事にかける時間が十分取れない場合があるため、こうした準備は大きな助けとなるでしょう。

通夜の夜は故人への別れを惜しむ場である一方、様々な手配に追われる実務的な時間でもあります。お気持ちを押し付けるのではなく、遺族が気兼ねなく受け取れる程度の品を選び、受付でお渡しするのが一般的です。あくまでも遺族を気遣う目的なので、あまり高価すぎるものは避け、通夜参列者の常識として多くの人が用意できる範囲を考えて準備するとよいでしょう。

香典・お供えとの違い

お淋し見舞いは遺族をねぎらう手土産であるのに対し、香典は葬儀や法要の費用を助ける経済的支援としての意味合いがあります。また、お供えは故人に対して供養の気持ちを示す品となり、主に祭壇に供えられる点が大きく異なります。このように贈る相手が違うということを把握しておくと、失礼のない振る舞いが可能です。

香典の場合は、宗派によって「御霊前」「御香典」「御佛前」など表書きに違いがあるのに対し、お淋し見舞いは「御淋見舞い」「お淋し見舞」といった表書きを用いて区別するのが一般的です。これには弔事用の黒白の水引をあしらうことが多く、地域によっては黄白や双銀の水引を選ぶケースも存在します。

お供え物は故人を偲ぶ気持ちで用意され、仏壇や祭壇に供えられます。対してお淋し見舞いは、遺族が口にするものや雑事の合間をつなぐために使う飲み物など、実際の生活を支える目的を持ちます。ここを混同すると、せっかくの好意が正しく伝わらない可能性があるため、それぞれの意味合いを理解した上で用意を進めることが大切です。

地域性と地域ごとの慣習

お淋し見舞いは、主に愛知県・岐阜県・三重県などの一部で行われる風習です。全国的に見ると同様の風習がない地域も多く、他の地方出身者にとっては耳慣れない習慣かもしれません。このように地域差を認識することで、慣れない地域の人との通夜で失礼をしないように準備できるでしょう。

その地域でお淋し見舞いが一般的なのか、または比較的珍しい風習なのかを知るには、葬儀社や地元の親戚に相談するのが確実です。特に親族に聞いておくと、その家の習わしに合わせたほうがよいかどうかを判断できるため、安心して用意を進められます。

地域性の違いに加え、故人や遺族側の宗派や考え方によっても通夜の進め方は多様です。たとえば会場が飲食物の持ち込みを禁止している場合もありますので、事前に確認してから品物を選定すると良いでしょう。そうした情報を把握していないと、せっかくの気遣いが受け取ってもらえないという残念な事態にもなりかねません。

お淋し見舞いにふさわしい品物と選び方

お淋し見舞いを準備する際は、基本的に食品や飲料を通夜会場へ持参することが多いです。ここでは、どのような品物が適しているのか、選ぶときに注意すべきポイントを詳しく解説します。

菓子の選び方と相場

品物として毎回よく選ばれるのは、日持ちしやすく個包装になっている菓子類です。特に饅頭やクッキーなどは通夜の間に大勢で分けられる利便性から人気があります。ここであまり大袋のものばかり選ばないのも気遣いの一つで、誰でも気軽に取れるような形状にすることが喜ばれます。

相場としては2,000円から3,000円程度が一般的です。あまり高額な洋菓子や希少性の高い和菓子を選ぶと、遺族が気を使いすぎてしまう可能性がありますし、そこまで豪華にしないのがお淋し見舞いの本来の趣旨です。一方で、あまりに安すぎるものは手抜きに見える懸念がありますので、適度な範囲を保つことが大切です。

菓子は食べやすく複数人でシェアしやすいことが重要視されます。水分の多い和菓子は日持ちがしないものもあるため、保存性を考慮して選ぶとよいでしょう。通夜から葬儀までの空いた時間に手軽につまめるか、後日でも楽しめるか、そういった面も考慮してみると失敗が少なくなります。

果物や飲み物を選ぶ際の注意点

果物の場合は、リンゴやみかんなど割と保管しやすく、簡単に皮を剥けるものが好まれます。とくにかさばりにくいサイズの詰め合わせを意識すると、遺族側も扱いやすいでしょう。籠盛りにしておくと見栄えもよく、受付でお渡しする際にも丁寧な印象を与えられます。

飲み物では、缶コーヒーやジュース、お茶など、個人の嗜好をあまり問わない種類が無難です。アルコールについては、故人が生前好んでいた場合などは検討する価値がありますが、遺族が飲むタイミングが限られる可能性や会場規約で禁止されている場合もあるため、事前の確認が欠かせません。

果物や飲料は一度に消費しづらい場合もあるため、量を多くしすぎないように注意します。あまりに大量だと持ち帰りが負担になる場合があり、せっかくの好意が逆に遺族に手間をかける形になりかねません。実用的な品物であるとはいえ、相手の事前状況や保管スペースなどを考慮する心配りが大切です。

個包装や日持ちを考慮した準備

お淋し見舞いに限らず、通夜や葬儀の場面で贈る食品は衛生面でも配慮が必要です。そこで個包装パッケージを選ぶことで、清潔感や分配のしやすさを両立できます。名の通ったお菓子メーカーのものを選ぶ人も多く、信頼性とわかりやすさの点で受け取る側に安心感を与えるでしょう。

また、通夜から葬儀までの時間が最長で翌日まで続き、連続して忙しくなる場合を考えると、賞味期限が短いものは避けたほうが無難です。遺族は通夜後に落ち着いて食事が取れないケースもあるため、後から改めて口にする人がいることを考慮して、ある程度日持ちするものが喜ばれます。

包装紙やのし紙については、弔事用の落ち着いた色合いを選び、「お淋し見舞」「御淋見舞い」など表書きを入れた水引を使います。水引にも黒白や双銀などが一般的ですが、地域や宗派によって若干の違いがあるかもしれません。通夜の受付でわかりやすくお渡しするには、外のし・内のしのマナーについても確認を重ねておくと良いでしょう。

現金で渡す場合のマナー

お淋し見舞いは基本的に品物で用意するのが一般的ですが、やむを得ない事情や会場の規則で飲食物の持参が難しいケースもあります。そうした場合、現金でお渡しするという選択肢も検討できます。

金額相場と封筒の表書き

現金でお淋し見舞いを渡す際は、概ね2,000円から3,000円程度が相場とされています。この金額は香典とは連動させずあくまで別途の好意として考えることが一般的です。香典と合わせて高額になると、遺族に無用な負担感を与えてしまうため、相場を踏まえるのが無難です。

封筒は弔事に使用するのし袋を利用し、薄墨の筆ペンなどで「御淋見舞」や「お淋見舞い」と書きます。水引が印刷されている封筒でもかまいませんが、こちらも黒白や銀色系が中心です。

場合によっては、黒白の水引付き封筒を用意しづらい場面も考えられます。その場合でも、無地の白封筒に薄墨で表書きをすることで代用できます。慌てて普通の封筒を使うよりも、印刷の水引が薄く描かれた弔事用のものを探すか、最悪の場合は質素な無地封筒で対応する形が好ましいでしょう。

渡し方とタイミング

通夜に参列した際、宗派や式場にもよりますが、お淋し見舞いは基本的に通夜の受付で渡すことが多いです。うまく言葉がかけられないときでも、受付担当または遺族に直接手渡して「これはお淋し見舞いですので、お使いください」と一言添えるだけで充分に思いは伝わります。確実に受付で伝えることで、紛失や受け取られないリスクを回避できるでしょう。

香典と同様に、受付が混雑している場合には、タイミングを見計らって渡します。通常の香典を先にお渡しし、その後に「これはお淋し見舞いですので、別にお納めください」と分けて手渡す形をとると混乱を招きにくいです。もちろん、まとめて同じ袋に入れないようにしてください。

また、通夜自体が行われない家族葬などの形式も増えています。そういった場合、直接会場で手渡せる場面がない可能性もあります。できるだけ親族や葬儀社に確認し、通夜や葬儀がない場合にどう手配するか相談するとよいでしょう。遺族の希望や会場のルールを優先することが、さりげない心遣いにつながります。

会場事情に合わせた配慮

式場や会場の事情によっては、内外の飲食持ち込みを禁止しているところや、当日ばたばたするためにスタッフが荷物を多く受け取れない場合があります。こうした場面で無理に品物を贈ろうとすると会場側に負担をかける恐れがあるでしょう。そのため、事前に施設側のルールや遺族の意向を尋ねることが望ましいです。

特に厳格な式場では、場内で飲食をすること自体を制限しているケースもあります。通夜のあとに簡単な食事や休憩を取る風習がない場合には、お淋し見舞いの意図が十分活かされない可能性もあります。それでも遺族の自宅に持ち帰ってもらうことで役立つケースはありますが、持ち運びが大変にならないよう量や種類には配慮が必要です。

遺族側がすでに十分な食事の準備を整えている場合や来客用のお茶や菓子を用意している場合も珍しくありません。そういった状況なら、遺族が処理しきれなくなりそうな大量の入れ物は控える方が賢明です。品物より現金の形で気持ちを表したほうが手間がかからず、お互いに負担が小さくなるケースも想定しておきましょう。

お淋し見舞いの具体的な渡し方

お淋し見舞いは、ただ用意して持っていくだけではなく、スムーズに手渡すための方法や声かけも大切です。ここでは、実際の通夜の席でどのように行動すれば良いのかを具体的に見ていきます。

通夜受付でのスムーズな手順

通夜に着いたら、まず香典を受付でお渡しするのと同様のタイミングでお淋し見舞いの品物や封筒を差し出すのが一般的です。受付表に名前を記入するときに、「こちらはお淋し見舞いです」と一声添えてから渡すとスムーズに受付側が対応できます。事前に袋や包装に表書きが見やすいようにしておくと、混乱を避けやすいでしょう。

身内や親しい親族が受付を担当している場合もあります。その場合でも、通夜の進行状況によっては受付の混雑度が異なるため、あまり長い言葉をかける必要はありません。簡潔に用件を伝えて相手が受け取りやすいように手渡すと丁寧です。品物や封筒を取り出してから受付に行くのではなく、受付に近づく前に準備を済ませておくと慌てずに落ち着いて渡せます。

通夜の受付までに参列者が長蛇の列を作るケースもあります。そのため、後ろの方が待たないようにするためにも、短い挨拶と渡し方を心がけることが大切です。もし受付での受け取りが難しい場合は、別の場所へ案内されることもありますが、基本的なマナーとしては受付の場を使うのが通例だと考えてください。

相手への声掛けと気遣い

お淋し見舞いは形だけを渡せば良いわけではなく、遺族の心情をそっと支えるために行うものです。そのため、受付で渡す際でも「長い夜になるかと思いますので、少しでもお役に立てたら幸いです」といったひとことを添えると、思いやりが明確に伝わります。

遺族の方々は多くの参列者に対応し、バタバタとした状況にあることがほとんどです。あまり長い時間を取って説明しようとすると、かえって相手を疲れさせる場合もあるので、短めの一言に留め、必要があれば後日改めてお悔やみの言葉を伝えるのも一案です。実際に相手の状況を見て、声かけの量やタイミングを調整すると良いでしょう。

やや控えめに言葉を補うのが理想的で、「夜食にどうぞ」「遅い時間まで大変でしょうから」など、相手の負担を労わるメッセージが伝わりやすい表現を心がけましょう。直接的な「ご苦労様です」という表現は、敬意よりも上から目線を感じさせる場合があるため、やんわりとした言い回しにするのが無難です。

他の仏事でのお菓子とお供え

お淋し見舞い以外にも、葬儀や法要の場面で菓子を用意するシーンがあります。ここでは、お供え物や引き菓子などとの違いを理解し、状況に応じた適切な品を選ぶコツを探ってみましょう。

葬儀・法要での供え物

葬儀や法要では、故人を偲ぶために祭壇や仏壇へ供え物を捧げる習慣があります。お淋し見舞いは遺族のための手土産でしたが、こちらは故人に対する供養の心を形にしたものです。菓子だけでなく、故人が生前好きだった果物や食べ物を供えることも一般的で、地域や宗派によって細かな作法が異なります。

供え物には、見栄えや日持ちの点を重視して、個包装の焼き菓子やのし付きの和菓子がよく選ばれます。夏場であれば果物やゼリーが好まれるケースもありますが、暑さによる傷みやすさには注意が必要です。お寺や葬儀会場で食べ物を供える際は、事前に持ち込み可能かどうかを確認するのがベターです。

また、供えた後にどう処分するか、あるいは誰が取り分けて持ち帰るかなど、地域によってルールが大きく違います。消費期限の問題もあるため、あまり量が多すぎる供え物や、大きすぎる生花との組み合わせを避ける配慮が必要です。遺族や寺院に相談した上で、無難な選択をするのが長年の慣習として根付いています。

引き菓子や粗供養のポイント

葬儀や法要の後に参列者へお渡しする引き菓子や粗供養も、仏事の場ではよく見られる習慣です。これは参列してくださった方への感謝の気持ちを表す品であり、お淋し見舞いとは性質が異なります。参列者が自宅で故人を偲べる時間を持つためのお礼のような意味合いが強いのです。

一般的には日持ちのする焼き菓子や、地元の名産菓子などが引き菓子に選ばれることが多いです。地域特産の品物を入れて、故人の出身地を偲ぶきっかけにする場合もあります。法要などでお配りする粗供養では、乾物やお茶セットなど幅広いバリエーションがあり、宗派や地域によって細かな違いがある場合も珍しくありません。

引き菓子に関しては、包装のデザインやのし紙への名入れを行い、葬儀・法要の日付や故人の戒名などを記載するケースもあります。あまりゴテゴテと飾るよりも、落ち着いたトーンの包装紙を使う方が仏事の雰囲気にあっています。必要以上に豪華なパッケージにするより、参列者が負担なく受け取れるかどうかを常に考えましょう。

高齢化社会への配慮と実例

近年は高齢の方の通夜参列も増加しており、硬いお菓子や重量のある品物は敬遠される傾向にあります。しっかり噛む力があれば問題はありませんが、やわらかめの食品を用意するなど配慮すると、多くの人が安心して口にできるでしょう。持ち運びが楽なサイズを選ぶのもマナーの一つです。

高齢者が多い地域では、あられや軽めのせんべい、カステラなど幅広い年齢層に親しまれるお菓子が支持される傾向があります。また、糖分や塩分を控えた商品をあえて選ぶのも配慮の現れと言えるでしょう。葬儀会場では甘いものもよく利用されますが、健康面を気にする参列者も増えているため、バランスよく考えられたセットを用意しておくと安心です。

実例として、夏場の通夜や法要では、ゼリーや水羊羹を選ぶケースが見受けられます。一方で、寒い時期には温かいお茶やスープの素などを添えて贈ることもあるようです。このように季節感を含んだ品物があると、多忙な遺族の食事を支えるだけでなく、参列者や近親者にも喜ばれる場面が多いです。

地域差と現代の傾向

伝統的なお淋し見舞いのスタイルとはいえ、少子高齢化や核家族化が進んだ社会情勢の中で、すべてが昔ながらのやり方では通用しなくなりつつあります。ここでは地域外での通夜や現代ならではの会場事情を踏まえ、柔軟な考え方をご紹介します。

該当地域以外ではどうするか

愛知県や岐阜県、三重県の一部の慣習であるお淋し見舞いは、他地域の人にとってはなじみが薄い可能性があります。それでも遺族を思いやる気遣いとして手土産を持参すること自体は、どの地域でも好意的に受け止められるケースが多いでしょう。ただし「お淋し見舞」という名前が伝わらない場合は、「通夜に少し召し上がってください」という自然な表現を使うとわかりやすいです。

もし該当地域の方の通夜へ他地域の人が参列する場合は、地元独自の慣習として受け入れ、できる範囲で品物を用意してみると良いでしょう。もちろん、地域や宗派によって不要とされる場合や、現代では通夜そのものを簡素化する流れもありますので、事前の確認がポイントです。

最近ではインターネットで検索すれば葬儀文化の違いについて多くの情報が得られます。地元の風習に関しては先祖代々当たり前に受け継がれているかもしれませんが、他地域の人にとってはまったく馴染みがないことも珍しくありません。双方の違いを尊重しつつ、どうしてもわからない点があれば葬儀社や親戚に尋ねるのが確実です。

会場による飲食物の制限と対策

葬儀会場や斎場によっては、衛生上の観点やホールの運営方針から飲食物の持ち込みを禁止しているところもあります。強行して持参しても、受付やスタッフが断らざるを得ない事態に陥る可能性があります。事前の下調べで会場側のルールを把握しておくことが、お淋し見舞いを円滑に渡すための必須ポイントです。

会場側である程度飲食を提供している場合もあり、そうしたケースでは品物自体が重複してしまうかもしれません。どうしても何か渡したい場合は、現金を添えて遺族の負担を少しでも軽くする方法や、後日自宅を訪問して改めて渡すなどの選択肢を考慮するとよいでしょう。

対策として、電話やメールを使って会場側に直接問い合わせるほか、通夜の案内状や葬儀社からの連絡に「持ち物は不要」などの注意書きがないかを確認しておきましょう。インターネットの情報だけでは不確かな場合もあるため、最終的には遺族あるいは会場に直接問い合わせるのが安全策と言えます。

親族・友人の間での配慮

お淋し見舞いを準備する際には、親族間で先に話し合っておくと重複を防げます。何人もの親族が同じようなお菓子や果物を用意すると、遺族が後で持ち帰る量が増えストレスになるかもしれません。「私がお淋し見舞いを用意するから、そちらは香典の金額に少し上乗せして」など役割分担を決めるとスムーズです。

友人同士で参列する場合も、それぞれにお淋し見舞いを用意すると、結果的に品物が大量になりすぎる恐れがあります。連名で少し良い品を贈るか、または複数人が個々に少額の現金をまとめて封筒に入れた方が負担を軽減できる場合もあります。特に同じグループの仲間が大人数で参列する際には、事前に話し合っておくとよいでしょう。

また、遺族の状況をよく知っている場合には、あえてお淋し見舞いを用意しない方が好まれるケースもあります。例えば「すでに食事の準備は十分にしてあるから、逆に困る」という声を聞いたことがあるかもしれません。実情を確認し、配慮を欠かさないようにするのが弔事の場における基本的な姿勢です。

お淋し見舞いに関するよくある疑問

お淋し見舞いは地域色や遺族の意向が絡むため、戸惑いやすい面があります。ここでは、特に多いとされる素朴な疑問点や、どう対処すべきかという具体的な回答をまとめます。

香典と同時に渡すときの金額調整

香典を渡す際に、同時にお淋し見舞いとして現金を用意する場合、「合計額が高くなりすぎないか」という心配をする人がいます。実はお淋し見舞いは香典とは別物なので、合算して記帳されるわけではありません。遺族側も、「通夜見舞いをいただいた」と認識するため、香典より高額にしてしまう必要はありません。

例えば香典が5,000円の場合、お淋し見舞いの現金は2,000円から3,000円程度で充分です。無理に1万円など大きい額にすると、遺族が恐縮するだけでなく、香典との区別がつきにくくなる可能性もあります。あくまで気持ちのサポートですので、程よい金額を守るのが大事です。

大きな親族や大切な取引先など、特別な相手でどうしても多めに包みたい場合でも、香典とのバランスは留意します。お淋し見舞いと香典を合わせて高い額になると、受け取る側の負担感が大きくなることを考慮して、二重にならないように金額配分や品物選びを慎重に行いましょう。

通夜に参列できないときの対応

遠方や日時の都合で通夜に参列できない場合、お淋し 見舞いを渡すことができないケースもあります。そもそも通夜に立ち会わない人が用意する必要はないとされるのが通常の考え方です。ただし、特に親しかった関係の相手で悔やみの気持ちを示したい場合は、後日自宅を訪問して手渡しするか、郵送で送る選択肢もあります。

ただし、郵送で食品を送る際は冷蔵や冷凍が必要な場合の配送手続き、到着日時の設定など、追加の手間がかかります。さらに遺族が受け取るタイミングを把握しにくいため、負担にならないかどうかを再度確認することが望ましいです。大切な気持ちを伝える手段として検討しつつも、相手の都合を第一に考えましょう。

一方、通夜に参列しなかった人がお淋し見舞いの代わりに香典を多めに包むという考え方も見受けられます。地域によってはそれが自然と認められている場合もありますが、遺族によっては高額すぎる香典を負担に思うこともあるため、適度なバランスをとるよう心がけます。

のし紙の種類や正式な表記

お淋し見舞いののし紙は、黒白や銀色の水引を使用します。通夜の席で渡すことから、薄墨で文字を書くのが基本です。表書きは「御淋見舞」「お淋し見舞」と書くのが一般的で、地域によって多少変化が見られますが、いずれも弔事用の書き方で統一します。

のし紙を用いる際、弔事なので正式には「のし」は付けません。代わりに、黒白や銀の水引のみを印刷した短冊や掛け紙を利用し、そこに手書きで表書きをすることが多いです。包装の外側にかける「外のし」と、内側にかける「内のし」とがありますが、受付で渡す際には外のしのほうが認識されやすい傾向があります。

ただし細かい習慣は地域ごとに異なる場合があります。もともとのし紙自体を使わず、弔辞用の短冊だけで済ませるところもあります。最も重要なのは、弔事にふさわしい落ち着いた色柄を選び、表書きの文字が明確に伝わるようにすることです。あらかじめ準備するときは店舗や専門店スタッフに「通夜用です」と伝えると適切なものを紹介されるでしょう。

まとめ

お淋し見舞いは通夜の遺族をねぎらうための風習であり、その品物や現金に込められた気遣いは、悲しみの中にいる遺族の心を支える大切な役割を果たします。地域性や会場の事情を考慮しつつ、形だけではなく思いやりの言葉添えができれば、より温かい配慮として伝わるでしょう。

  • お淋し見舞いは通夜の夜を気遣うための手土産で、香典やお供えとは目的が異なる
  • 品物を選ぶ場合は日持ちする個包装のお菓子や、飲み物・果物が一般的
  • 会場の事情や宗派によって渡し方に制限があるため、事前確認を忘れない
  • 現金を渡す場合は2,000~3,000円程度が相場で、封筒や表書きは弔事用
  • 地域や遺族の状況に合わせて柔軟に対応することが大切

お淋し見舞いの準備や渡し方で迷う場合は、葬儀社や親族に相談しながら進めると安心です。気持ちを丁寧に伝え、相手の立場に寄り添った行動を心がけましょう。



監修 角田(株式会社葬儀のこすもす)

家族葬のセレモニーハウスは、神奈川県、東京都、北海道(札幌市)で、心のこもった家族葬をご納得いただける価格でご提供している家族葬専門の葬儀社です。
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